「聴く」は与え、「話す」は奪う。
なぜ話を聴いてもらうと気持ちがいいのか
人は話を聴くよりも、話を聞いてもらう方が気持ちがいい。
話をしていて気持ちがいいのは、相手からエネルギーを少しずつもらうからなんだよね。
だから、人はお金を払ってカウンセリングやセラピーに出かけるわけで。
セッションと称して、自分の話を聴かせようとしている人を見ると、ほどほどセッションする側に満たされていないものを感じてしまう。
「私の子育て経験をみんなに伝えたいの」なんて言われてしまうと、
「それ、
講師を満たすための
子育て講座じゃん!」
と思ってしまう。
「伝えたい」は「聴いてもらいたい」と同義だったりするから。
満たされていないと、聴いてもらいたくなるわけで…。
まずは、「シャンパンタワーの法則」が大事なのだ。
とにかく自分を満たせていないと、人の話って聴けなかったりするんだよね。
「奪う」と「与える」
とにかく聴くことがスタートだよ。
人の話に耳を傾けられるのは、満たされている証拠ね。
「伝える」ってのはね、実は伝えるは相手から「時間」と「エネルギー」を奪うことでもあるんだよね。
逆に、「聴く」ってのは自分の「時間」と「エネルギー」を相手に与えるってことなわけ。
先生が子どもに説教して悦に入ってるのは、それこそそういう話なわけさ。
まあ、僕もそんな教師の一人だったんだけど。
でね、ある年「くればやし先生のスベらない話」というコーナーをつくった。
朝の会で絶対子どもたちを笑わせると約束してね。
まさに真剣勝負だよ。
一年間、爆笑をかっさらった。
それはもうね、与えるエネルギー。
子どもたちが話を聞いて元気になるわけだ。
一方、それっぽい説教を垂れると、まあ仕事をした気分にはなる。
先生ってのは話好きが多いからね。
んで、子どもたちはドヨ〜ンとする。
まさに奪うエネルギー。
子どものエネルギーを奪って、自分を満たす感じね。
そんなこともあったなぁ…と懐かしく思う。
「ワタシガ」「ワタシガ」星人
「しつもん」のワークショップをすると、どうしても話し続ける人がいる。
ときおり、他人の答えるタイミングを奪ってしまう人もいる。
「わかる!わかる!
それね〜。
わかるわ〜。
私もこんなことがあってね…」
なんて人だ。
話すほどに自分が満たされるからね。
まあ、それが奪うってことなんだけど。
「私が!」「私が!」って人のね、話をじっくり聴いてみると、すごく疲れる。
これはもう、相手が完全に枯渇しているわけね。
あなたのエネルギーを奪うエネルギーバンパイアなわけさ。
話をしていて(なんかこの人、疲れるなぁ…)と感じたら、つまりはそういうことなのさ。
「与える人」は聴ける人
だから聴くってのは、とてもエネルギーがいる。
ただ黙って聴く。
ニコニコと聴く。
それこそ愛のなせるわざ。
ジャッジせず。
アドバイスせず。
相手の感じたものに寄り添いながら、耳を傾ける。
「聴く」は「与えるエネルギー」。
そのことを意識するだけで聴き方は変わる。
「聴いてあげる」だけで、相手は元気になる。
一方、「話す」は「奪うエネルギー」。
そのことを意識するだけで話し方も変わる。
「伝える」を「与えるエネルギー」に変換できたならば、それは本当の「愛」に変わるのだと思う。
「あなたの話を聴くと元気になる」
そう言われる人でありたい。
僕は毎日好き勝手なことを書き綴っているのだけれど。
それを読んで、元気になってくれる人がいる。
そういうものをこれからも書き続けていきたいと思う。
子どもとつながる問いかけの魔法
あなたの振る舞いで、
子どもは元気になっていますか?