そんなに子どもにがんばらせたい?

我が子にどんなDNAを残したのだろう?.

僕らがどのように成長していくかは、きちんとDNAというヤツに記録されているらしい。

どのくらい学習能力があり、身長がどのくらいで、とか。

運動神経がいい、とか、芸術的な才能がある、とか。

それが初期設定。

 

 

DNAに刻まれた初期設定を変えることはできない。

 

 

もちろん、後天的なものもあるだろうけれど。

後天的なもののせいでポテンシャルを発揮できていないということはあるかもしれないね。

 

でも、初期設定以上のものにはならない。

僕はそう感じている。

 

 

僕が最初にそれを感じた話をしよう。

それが「牛乳飲んだら背が伸びる問題」だ。

 

 

冬場の学校って、びっくりするぐらい牛乳が余る。

生徒数1000人規模の学校だと、欠席やら腹痛やらで、昼食で飲む牛乳が毎日数ケース返品されてくる。

 

 

それが、もったいなくてサッカー部の練習後に、せっせと処理させていた。

ウチの部員は身体が小さくて、試合に行って他校の生徒と比べると小柄な子が多かった。

 

 

そこで、昔から言われていたこと。

牛乳を飲んだら背が伸びる!である。

 

 

毎日、一人3〜4本飲んだところ、どうなったか。

 

 

 

 

 

 

変わんね〜じゃねえか!!!!!

 

 

 

牛乳に相談だ…なんてCMがあったけれど。

牛乳に相談しても、何も解決しなかった。

結局、小柄なままだった。

 

 

まあ、身長だけじゃないよね。

もって生まれたポテンシャルってのがあって。

入部した時点で、なんとなく中3の姿がイメージできた。

 

 

飛躍的に伸びる子もいたけれど、やはり入部の時点で飛躍的に伸びる片鱗を見せていた。

 

 

 

 

 

でね、これは「お勉強」でも言える。

中学校入学の時点で、すでに差がついている。

持って生まれたポテンシャルに、後天的なものも影響して、入学時点ですでに格差が生まれているわけだ。

 

 

 

もちろん中には、ごく稀にではあるけれど、飛躍的に伸びる子もいる。

だが、やはりちゃんと「飛躍」の片鱗はあるわけで、プロの教師はなんとなく「この子は伸びるなぁ」というのを空気で感じている。

 

 

簡単に言えば、あるときから急激に伸びる子は、「実力以上の力」を発揮しているわけではなく、本当はそれだけの力があるにも関わらず、「本当の実力」を発揮していなかっただけなのだ。

 

 

 

 

「お母さん、この子は十分がんばってますから」

 

そんな話をしたら、叱られたことがある。

 

「先生、そんなに甘やかさないでください。がんばってるなら、もっと成績が上がるはずです」

 

 

 

 

あ〜、なんだか親子で苦しい方に苦しい方に進んでいるなぁと思いました。

「入った成績が出る成績」(入学するときの学年順位が卒業するときの学年順位)、そんな話をしたらね、また叱られたんだな。

 

 

「私の知っているAくんは、高校入学したときは最下位だったのに、卒業するときはトップの成績だったんです。だから、先生は間違ってます。この子はもっと難関校に入った方がいい。たとえ最下位でも、努力すればトップになれるんだから」

 

 

はいはい、すいませんねぇ。

どうぞ、お好きにしてください。

 

 

僕はそうやって無理をして難関校に入り、途中でドロップアウトした子を見てきました。

どうか、あなたのお子さんの初期設定が、そのAくんと同じであることを願います。

 

 

 

子育てに迷ってときに出会いたい100のしつもん

我が子にどんなDNAを届けましたか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。