公務員は本当に「安定」しているのか。
「働くこと」=「就職すること」
これが多くの人にとっての常識です。
離職すると失業手当が支給されます。
その間に、次の仕事を探すことになります。
そうやって、収入の柱を1本にするのが、これまでの常識でした。
副業やら、複業やらの話を耳にすることも増えました。
ですが、実際それらに取り組む人はわずかです。
多くの人は1本の収入の柱で生活を支えているのです。
僕もそんなひとりでした。
収入が安定している公務員です。
公務員は絶対に倒産しませんから。
まあ、絶対ではないですが…。
ところがです。
公務員は本当に安定しているのでしょうか?
本当に…。
先日、小室哲哉さんが引退を発表されました。
小室哲哉さんの妻KEIKOさんは高次機能障害であることも発表されました。
配偶者だけで介護するのは、なかなか困難だというお話もありました。
これは、何も特別な話ではなく。
いつ、僕らだってそのようになるかわからないわけです。
妻なのか、両親なのか、子どもたちなのか。
介護することになって離職される方を、何人も見てきました。
また、つんく♂さんのように、自身が声を失うこともあるでしょう。
ある日、突然半身不随になって友人もいます。
そういうことって、決して珍しいことではないのです。
教員時代の仲間の中には、心のバランスを崩し、働くことができなくなる人も多くいました。
複数のタスクをこなし、保護者の対応に追われる毎日。
大変ストレスフルな生活でした。
そうやって考えると、安定という言葉は、決して「働く人にとっての安定」ではないことがわかります。
たった1本の収入の柱で生きている場合、その柱が折れてしまったら、収入が途絶えます。
まして、公務員は失業手当がありません。
離職すると、その日から収入はなくなります。
そのうえ、副業を認めていませんから、他に収入の柱を作っておくこともできません。
よくよく考えると、かなり不安定です。
心も身体も病むことなく、家族が五体満足である場合に限れば、安定しています。
ただし、必ずそう生きられるという保障はどこにもありません。
これからは、超高齢社会です。
労働力として、70歳まで働く時代がやってきます。
70歳って…。
「いつか好きなことをやりたい」
そんな声をよく耳にします。
「定年を迎えたら、好きなことをするぞ!」
そんな声をよく耳にします。
そのころ、70歳です。
健康な70歳でありたいものです。
妻も僕も健康な70歳でいられる保障なんて、どこにもありません。
そう考えると、僕はむしろ公務員として、ひとつの収入の柱で生きていくことはとてもリスキーな生き方だと考えました。
公務員を辞めることに、多くの人から「もったいない」と言われました。
(安定を手放すなんて…)と。
でもね、本当は「不安定」を手放したんです。
最近の芸能ニュースを見ていると、つくづく思います。
人生は上り坂、下り坂、そして「まさか!」の連続です。
いついかなる事態が起きても、この世界を生き抜く準備をしておくことが大切ですね。
魔法の質問
どんな人生なら最高ですか?