1万円札の価値は、実は毎日変わっている。


暗号通貨の仕組みって、面白いなぁと思う。

何が面白いって、僕のウォレットからあなたのウォレットへ、直接「価値」を送ることができる。

互いがどこにいても、「価値」を送ることができる。

 

 

「お金」ではなく「価値」「対価」を送ることができる仕組みだと考えるととても面白い。

 

 

「インターネットバンキング」とか「電子マネー」との違いがわからない人は多い。

これらは、「ネット上」で「法定通貨」のやりとりをしているに過ぎない。

 

 

また、投機の対象としか見ていない人も多い。

この面白さがなかなか伝わらないのは残念だと思う。

 

 

昔々、僕らのご先祖様は物々交換で生きてきた。

だが、物々交換では物理的に無理が出てきた。

そこで、石や貝殻の貨幣が生まれる。

やがて、それは紙幣へと形を変えた。

 

 

暗号通貨って貝殻や石ころの通貨みたいだなと思っている。

 

 

紙幣は紙切れと同じだ。

1万円札に1万円の価値をもたらしているのは、僕らがあの紙を1万円の価値があると信用しているからだ。

 

 

ご先祖様が、石や貝殻に価値をもたせたように、今度は電子データに価値を持たせようとしている。

 

 

 

ちなみに、1万円札の価値は毎日変動している。

日本国内で暮らしているとまったく気づかないが、海外にいると「換金所」によって1万円札の価値は変わる。

ちなみに、空港で換金すると恐ろしいレートで現地通貨に交換される。

 

 

僕らが上海で暮らしていた頃、給料は日本円で支払われていた。

ところが、中国の銀行には日本円を振り込むことができない。

一度給料はUSドルに換金され送金される。

 

 

送金されたUSドルを、僕らは中国の人民元に換金して生活していた。

アベノミクスが大々的に打ち出され、石原さんが尖閣諸島を国有地化し、中国が反日デモに揺れた年。

見る見るうちに円安になり、毎月振り込まれる給料が減っていった。

 

 

支給されている日本円での給料は変わらない。

USドルや人民元に換算したとき、日本円の価値は常に変動していることに気づかされた。

 

たとえば、1ドル80円だった時代。

100万円の貯金は12500ドルだ。

 

それが1ドル120円になると、どうなるだろう?

8333ドルだ。

 

ただ貯金をしておいただけなのに、4167ドルも減ったことになる。

価値が3分の2になったということ。

為替レートは海外旅行に行くときにお得かどうかを知る指標ぐらいに考えている人も多い。

 

 

だが、あのレートが動くことで自分の貯蓄や給与の価値が変動していると見れば、見方も変わってくるだろう。

こういうことって、日本国内で暮らしていると気づきにくい。

 

 

価値は常に変動しているということを知っておきたい。

さて、話がだいぶ横道に外れてしまった。

通貨が貝殻か石ころの時代に戻そうと思う。

 

 

今のところ、暗号通貨は換金所で法定通貨に換金しないと使えない。

ビットコインなどで支払いできる店もあるようだけど、そんなのはまだまだレアな存在だ。

 

 

北欧に来たら、何から何までクレジットカード決済である。

バスも地下鉄もカード決済である。

 

 

しかも、現地通貨or日本円にを選択できる。

「日本円」を選択すると、日本円で決済できてしまう。

そのレートは、交換所よりはるかに良いレートだった。

 

 

結局、現金を1円も換金せず、すべてカード決済で旅をすることになった。

 

 

クレジットカードは、銀行口座が必要である。

だが、世界中を見渡せば、銀行口座を持っていない人はたくさんいる。

 

 

 

まもなく、クレジットカードに暗号通貨が実装される時代も来るのだろう。

世界がどんどん1つになっていく。

日本に留まっていてはいけない。

世界は驚くほどのスピードで進化しているのだから。

 

 

僕が学校を作るなら、授業料ゼロにしたい。

その代わり、修学旅行費を高額にしたい。

そして、世界を旅したい。

 

 

国際人を育てるならば、英語教育に力を入れるより、世界をその目で見せた方がはるかに早いのだ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。