「正しさ」の先に「答え」はなかった。
赤ちゃんが生まれました。
保健師さんから言われたんですね。
「ミルクは50cc与えてください」
それで、お母さん、50ccだけ与えます。
赤ちゃんはもっと飲みたそうにしています。
それで泣くんですね。
もっと飲みたくて泣くのです。
でも、お母さんは「50cc」と言われたから、我慢するんです。
言われた通りにやっているのに、赤ちゃんは泣きやまないのです。
「正しい」ことをしているはずなのに!
それで、育児ノイローゼになりそうになる。
そんなことが起こっているのです。
僕の周りには、たくさんのお母さんがいます。
みんな、「正解」を求めて「ネット検索」しまくったそうです。
どうしたらいいの?
何が正解なの?
とにかく不安でいっぱいです。
次男坊が赤ちゃんのころ、ウチの妻は、よくおっぱい丸出しで寝ていました。
こんなことを書いたら、妻に叱られますがね。
赤ん坊の次男坊におっぱいをあげたまま眠ってしまう。
そんなことがよくありました。
もうね、飲み放題です。
どんどん大きくなりました。
そんなもんです。
でね、じゃあ保健師さんの言ったことは間違ってたの?って話をしたいと思います。
僕はそうは思いません。
基本的に、一般論をお伝えしていると思うのです。
基準のようなものです。
「一般的にはこんなもんだよ」を伝えているに過ぎません。
「オムツがどうの」
「おっぱいがどうの」
全部、伝えるべきことを伝えているだけです。
それは「答え」ではありません。
でも、不安だから「伝えられたこと」がすべてだと思ってしまう。
「正解」だと教わったのに、解答欄に書いたら×を書かれる。
それで混乱してしまうわけです。
考えるのではなく、感じる。
そういうことが必要だと思うのです。
赤ちゃんがもっと欲しそうにしていたら、もっとあげればいいではないですか。
与え過ぎたら吐くだけだもん。
子育て講座に出るでしょ。
そこで、講師の「正しさ」を伝えられる。
そして、モヤモヤする。
育児書を読む。
「叱らない子育て」って本と「叱る子育て」って本がある。
ある人は「褒めない方がいい」と言い、ある人は「褒めた方がいい」と言う。
みんな、自分の「正しさ」を発表しているに過ぎない。
そんなものに振り回される必要ないよ。
僕は、思春期の子どもたちをもう3000人以上も会ってきた。
叱ろうが叱るまいが、みんな大人になるし、褒めようが褒めまいが、みんな大人になる。
児童精神科医の佐々木正美先生は
「子どもがしてほしいことをしてあげるだけでいいんだよ」
とおっしゃる。
僕はその言葉が大好きです。
子どもがしてほしいこと。
それは子どもによって違います。
おっぱいをいっぱい飲みたい子もいれば、あんまり飲みたくない子もいるんです。
保健師さんが言った言葉は、あくまでも目安。
大切なことは感じること。
お母さんは偉大だよ。
感覚を信じていい。
大切なことはね、求められていることを求められている分だけ届ける。
そういうことだと思うのです。
子どもとつながる魔法の質問
何を求めていますか?