妻子を幸せにしてこそ親父道。女、子どもを不幸にして何が男ぞ。


父親とは何か

 

男親というものの存在は、

生物的に見たとき非常に不安定なものです。

 

 

お猿さんは、

発情したメスに対してオスが

次々に交尾を試みます。

 

 

ですから、父親がハッキリしていません。

 

 

もう少し知的な生き物ですと、ゴリラ。

彼らは1頭のオスと複数のメスが群れを作り

行動します。

 

 

こちらは父親がハッキリとしていますが、

父親は子育てには加わりません。

子どものゴリラが成長するまで、

母親は子育てに専念するのです。

 

 

一方、人間はどうでしょうか。

一対のオスとメスが家族となり、

家庭を物心両面で支え合い、

子どもを育てていきます。

 

 

ただ、面白いもので人間は群れを作りませんし、

自由に恋愛を楽しむことができます。

 

 

ですから、

実際には「この子の父親を知っているのは母親だけ」

ということになります。

 

 

 

意味をご理解いただけるでしょうか?

 

 

よくテレビドラマなどで「認知する、しない」と父親に問う場面を目にします。

本来、自分の子どもかどうかを父親に判別などできません。

男親が認知するような問題ではないのです。

 

 

なぜなら、「この子の父親を知っているのは母親だけ」だからです。

 

 

父親の立場とは、とても不安定なものなのです。

お父さんは家庭において「文化装置」だと言われています。

 

 

ちなみに、多夫一妻制のあった地域では父親が誰であるかはわかりませんから、一番お金のある者が父親として認定されていた記録があるそうです。

文化が変われば父親も変わるわけです。

 

 

「シャンパンタワーの法則」を父親たちには伝えない理由

 

ゴリラのオスが群れを守るように、

人間の父親も家庭を守る責任があります。

 

 

母親から「あなたが父です」と認定されたならば、

子どもが巣立つまで家庭を守るのが男の務めだと思うのです。

 

 

まず自分を幸せにすること。

自分のグラスを満たしてから、

家族のグラスを満たす。

 

 

これが大切ですよ、と僕は伝えています。

 

 

でも、間違えないでください。

僕は父親に向けて言ってるのではありません。

母親に向けて言っているのです。

 

 

子どもの猿が水に溺れたとき、助けようとするのはお母さん猿だけなのだそうです。

他の猿は見て見ぬふりをします。

それほどまでに母と子の愛情は深い。

 

 

だから、母はいつだって子どもを優先してしまいます。

 

 

ですから、まず自分を満たしましょう、と。

お母さん♬

子どものことも大事だけど、まず自分のグラス、満たしましょうね、とお伝えしている次第です。

 

 

これ、父親が同じことをやったら、ちょっと困ったことになります。

「俺は家族よりまず自分のグラスやねん!」と言って。

はい、週末はゴルフ。

酒、ギャンブル、キャバクラ。

趣味、趣味、趣味。

外に女をつくる。

 

 

いや〜、満たされた〜♬

じゃあ、妻と子どもな!

…では困ってしまいます。

 

 

それはなぜでしょうか。

 

 

お父さんは子どもの前でだけ「お父さん」です。

文化装置であるのですから仕方がありません。

 

 

一方、お母さんは寝ても覚めてもお母さんです。

共働きであっても同じ。

 

 

仕事をしていてもお母さんはお母さんです。

その点、お父さんは一人の自分になります。

 

 

例えば、学校で子どもが急に熱を出す。

共働き家庭の場合、緊急連絡先はお母さんの携帯電話であることが多いのです。

 

 

でも、時折お母さんの携帯電話がつながらないときがあります。

それで父親に電話をかけるんです。

 

 

50対50ですね。

すぐに対応してくれるお父さんもいます。

 

 

でもね…。

 

 

「仕事が忙しいんで妻に電話してください」とか、

「学校でなんとかしてください」とか、

言いやがるわけです。

 

 

おい!お前な。

誰の子だ、コラ!

…と思うわけです。

 

 

で、そんなとき「くれちゃん先生」は強気なため、「いや、今すぐ来てください」と突っぱねます(笑)

喧嘩になろうが関係ありません。

 

 

「親父になったんなら、親父をやりきらんかい!」

とアタシャ思うわけですな。

 

 

ある万引き少年のお話

 

昔、こんなことがありました。

釣具屋さんから一本の電話。

生徒が万引きしましたとの通報。

 

 

名前を聞いてもサッパリわかりません。

親には連絡をしてほしくないと言う。

「だったら警察に突き出すぞ!」と脅したら学校名を言ったのだそう。

 

 

 

おい、ちょっと待て。

ウチは警察じゃないぞ!と思いました。

 

 

しかも、俺、今から飲み会なんじゃ!

生ビールが待ってるんじゃ!

 

 

夜19時。

僕は愛車のRX-7をターボ全開、タイヤを鳴らして釣具屋に向かいました。

顔を見てもサッパリわからん生徒に会い、「お前、誰やねん?」と思いながら、釣具屋の店長に頭を下げ、クソガキを助手席に乗せ、学校に戻りました。

 

 

そのころ尖っていた僕は、ベテランの生徒指導に「こんなんほっといて早く飲み会に行きましょうよ」と言って怒られました(笑)

 

 

帰りの車で「お前、釣りやるの?」って聞いたら「やらないです」と答えたのが印象的でした。

彼がパクったのは「ルアー」だったんですね。

そのときは、(変なヤツ…)ぐらいにしか思いませんでした。

 

 

で、生徒個票見て家に電話するんだけど、誰も出ず。

いやいや、夜20時だし。

「誰もおらんのかい!」と思いました。

 

 

んで、ムカついたので父親に母親にもケータイにワン切りしまくってやりました。

ええ、あの頃の僕は尖っていたんです(笑)

 

 

で、ようやくつながったのは21時。

父親も母親も「仕事が忙しいので22時になる」と言うのです。

 

 

お前らな、マジで言っとくぞ。

テメーんとこのガキが万引きで捕まっといて、俺が生ビールを我慢して保護してやっとんじゃ!

なんだ!仕事が忙しいって!

 

 

どんな仕事をしてるんだ!と思って調べたら両親とも大学教授。

しかも、母親がお勤めの学校は保育科。

 

 

お茶、吹いたね。

吹いたよ。

 

 

保育科で未来の保育士を前に、

「子育てとは」と話してるヤツがですね、

忙しいという理由で万引きをした自分の子どもを迎えに来ないって

ギャグじゃないですか!

 

 

で、両親揃ってやってきたのが22時。

父親の言った一言が衝撃的。

 

 

「先生からも一言、厳しく言ってやってください」

 

 

なんで俺なんだ?

なあ、それ、お前の仕事じゃね〜のか?

父親になったの、お前だろうが。

責任とれや。

 

 

母親だけに責任をなすりつけるなよ。

 

 

父親になったなら

 

僕ね、思うんです。

母親が子育てをしないとネグレクトと言われます。

育児放棄です。

立派な虐待です。

 

でも、父親は言われません。

暴力を振るえば、そりゃ虐待です。

でも、父母が揃ってる家庭なのにですね、父親は何をしなくてもネグレクトとは呼ばれないんです。

 

 

おかしくないですか?

両親って言うでしょ?

両方とも親なんだよ。

 

 

テレビで見る虐待のニュースもみんなそう。

実の母親と内縁の夫。

実の母親と彼氏。

 

 

母はいつまでも母。

そんな母と子を捨てた、「かつての父」と「新たにやってきたしょうもない男」。

 

 

僕はやはり、男が「男」をやってないことに原因があると思っています。

男が情けないのです。

男がガキのままなのです。

 

 

ひとたび親父となったならば、最後まで責任を取れ。

女、子どもを幸せにできずして何が男か、と。

 

 

武士は食わねど高楊枝です。

やせ我慢してこその男道です。

 

 

妻と子どもが幸せそうに生きている。

それを酒の肴にして酔えるのが男です。

 

 

「くれちゃん、いつも奥さんと子ども優先だよね」と言われます。

だって、俺、それをカッコいいと思ってるから。

 

 

美学ですよ、美学。

 

 

「どうよ、ウチ。

 子どもも妻も幸せそうでしょ?

 ええ、男ですから。

 このぐらい、やりますよ」ってなもんです。

 

 

男が自分優先で生きたらカッコ悪いんよ。

な〜にが「少年の心を持った」だ馬鹿野郎!

大人の男にはよ、大人の男の、年相応の振る舞いってもんがあるのよ。

 

 

お母さんが子どもと旦那優先で生きるのと

男がね、妻と子どもを優先で生きるのじゃ意味が違うのです。

 

 

子どもはお母さんを幸せにするために生まれてくると言います。

 

「お前の母ちゃんを幸せにするのは、

 俺の役目だからな。

 お前らは自分の幸せを生きんかい!

 

 

これが親父の生きる道です。

 

 

最近、カッコ悪い男をよく目にします。

ガキみたいに器の小さい男です。

自分の幸せを先に考える小者です。

 

 

親父ってのは背中で語る者です。

子どもたちがあなたの背中を見てカッコいいと思ってくれるだろうか。

あなたに憧れるだろうか。

 

 

そういうカッコいい親父が増えたらいいなって思っています。

 

 

くればやし ひろあき

人間関係研究家 社会起業家

公立中学校の先生を16年間勤めて独立。その経験を生かしたリレーションシップ講座を全国で開催。関係性を整えることで子どもの能力を最大限に引き出す方法を伝えている。
北は北海道から南は沖縄まで、精力的に講演活動を行うほか、STR(素質適応理論)を用いた個人セッションが人気で現在2ヶ月待ちである。

また、「幸せなお母さんが増えることが幸せな子どもたちにつながる」と考え、お母さんのための学び場『precious life college』を妻とともに主宰。現在は4期目。

子どもの自殺を問題視し、2016年にはクラウドファンディングを成功させ県内8会場映画上映ツアーを敢行。2017年より刈谷市の自殺対策計画策定委員を務める。2017年には児童虐待に着目し、「子育て万博2018inあいち」を主催、「子どもとつながるしつもんカレンダー」をリリースするなど、社会起業家としても活躍している。

3児の父でもある。