職員室にもっとコミュニケーションを!


仕事の効率化が支払った代償

僕が教師になったころ、コンピュータは中堅から若手の先生の物でした。

 

ベテランの先生から子どもへの指導を学び、逆にベテランの先生にコンピュータの使い方をレクチャーしたりもしていました。

 

データはフロッピーディスクに入れられ、大切なデータはMOディスクを用いていました。

MO…、懐かしいですね。

 

したがって、先輩に「このデータがほしいのですが」と頭を下げてデータをもらいに行っていましたし、そこでいろいろ教えていただいていました。

「ここは気をつけた方がいいよ」とか「この書類も見ておくといいよ」とか。

 

今では、校内LANが整備され過去数年分のデータが容易にサーバーから取り出せるようになりました。

当然、仕事の効率は上がったはずです。

ところがどうでしょうか。

むしろ、年々忙しくなっているように感じるのは気のせいでしょう。

 

データが取り出せるようになって、コミュニケーションが極端に少なくなりました。

今、ほとんどコミュニケーションを取る必要がありません。

コンピュータと体さえあれば、仕事が完結するようになってしまったのです。

 

「先輩後輩なんてなくてもできるよ」

そんな勘違いが起きてはいないでしょうか。

 

 

仕事を効率化しても忙しいのはなぜか。

一人で仕事をすることが増える。

すると、分担すればいいことも自分一人で抱え込むようになってしまうのです。

 

互いの進捗状況もわからず、孤軍奮闘が続きます。

仕事を細分化し効率化した結果、全体としては歪な構造ができあがったきてしまったのかもしれません。

 

教育活動のみならず、仕事というものがチームプレーから個人プレーに変わってきているのです。

そして、この流れを止めることは、もはやできません。

今更、「コンピュータなしでやりましょう」なんて馬鹿げていますよね。

 

だからこそ、意識してコミュニケーションを取っていくことが大切です。

ず~っと黙ってコンピュータの前に座っているだけでは、コミュニケーションは生まれません。

 

私たちの仕事は、チームプレーで成り立っています。

そのことを忘れてしまうのはとっても恐いことです。

 

 

なんでも一人でできると思っているとしたら、それは傲慢です。

チームプレーを生み出すためにできることは何でしょうか。

 

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 意識してコミュニケーションを取る

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。