コロナウイルスで休校。子どもたちとどのように関わりますか?


コロナ、コロナって言っておりますが、

子どもたちがもうね、

伸び伸び外で遊んでおりましてね。

 

 

昔、サドベリースクールに行ったときのこと

「サドベリーは子どもたちを退屈のプールにつける」

って話をされていたのね。

 

 

内心さ、(ふ〜ん…)って感じだったんだけど。

確かに「退屈のプール」に肩までどっぷり浸かったらさ、

子どもたちが子どもたちらしさを取り戻した感じがする。

 

 

先日あるお母さんとお話していたのね。

今回は突然のことで「宿題」がないみたいなの。

これが良いらしいよ。

 

 

夏休みは(宿題やらせなきゃ!)って必死になってた。

計画立てて発破をかけてさ。

一生懸命ママをやってたんだって。

 

 

それがどうよ。

今回は宿題がない!

すごく気持ち的に楽なんだって。

 

 

面白いよね。

誰のための宿題なんだろう?

 

 

宿題について否定的な意見って多い。

「なんで先生は宿題を出すんだ!」ってね。

 

 

でもさ、

現場の経験で言わせてもらえば、

保護者の声は

「宿題が多すぎる」よりも

「もっと宿題を出してください」なんだよね。

 

 

宿題なんかなくたって、

そんなに勉強させたきゃ、

親が課題を出せば良いんだけど。

 

 

そこは「先生のせい」に

したいんだよね。

 

 

LINEでのトラブルが話題になったときもさ、

「LINEを禁止にして」とか

「スマホに時間制限を設けて」とか

いろいろ要望があったよね。

 

 

(それ、家庭の役割ですよ…)ってのが

どんどん学校に舞い降りてくる。

 

 

この構造って、

今回のコロナウイルス騒動と似てるんだよな。

 

 

「国が決めてください」 

「行政が決めてください」

って自粛ムードもそうだし。

 

 

「安倍首相は何をやってるんだ!」的な意見も同じかな。

誰かが悪くて、誰かになんとかしてもらいたいんだよね。

 

 

みんな、できるだけ責任を取りたくないもん。

悪者を作れば、

自分は「正義の味方」のポジションが

取れるもんな。

 

 

この休校措置で、

すごく大変な思いをしているお母さんがいるの。

 

 

受験生のママでね、

息子さんが全然勉強しないんだって。

 

 

学校はないし、学習塾もない。

だから、私がなんとかしなきゃ…って一生懸命な様子。

 

 

大変だよね。

働きに出ていれば見なくて済んだものをさ、

毎日見続けるわけ。

 

 

見なきゃ気にならないけど、

見たら気になる。

そういうの、

家族の間では多いんじゃないかな。

 

 

芸能人や政治家、スポーツ選手が不倫をすると

連日ワイドショーを賑わせる。

あぁいうのも、

当の本人とその家族は見たくないだろうね。

 

 

家族ってさ、

一挙手一投足眺めていたら、

そりゃ一言も二言も言いたくなるよね。

 

 

家族はほどほどの距離がいいと思うよ。

 

 

家族ってどうしても

互いの利害がぶつかりやすい。

 

 

妻が無駄遣いをすれば

家計に響く。

息子が公立か私立かで、

家計に響く。

 

 

お金だけじゃなく、

やっぱ関係性が深い分、

どうしたって物申したくなるわね。

 

 

だからさ、

線を引くことよ。

 

 

ここまでは私の領域。

ここからは彼らの領域。

線を引いておいて、

見たくないものは見ない。

これが正解。

 

 

修学旅行で生徒を引率するでしょ?

いちいち見回る先生がおるのな。

 

 

僕はね、

「やめておきなさい」

と言う。

 

 

何かあれば、

どこかからリアクションがあるから。

 

 

事前にきちんと指導しておけば、

あとは生徒を信頼することだけ。

 

 

見回れば見たくないものも見て、

余分な指導をしなきゃいけないことがある。

 

 

もちろん、

それで失敗をしたこともある。

 

 

ちゃんと見回っておけば、

大きな事件にならなかったのに、

なんてこともあるんだよね。

 

 

何が失敗だったかと言うと、

それまでの指導。

 

 

大きな事件になる前に、

僕にちゃんと伝わるような関係性を

子どもたちと作れなかったこと。

 

 

あれは失敗だったなぁ…と思う。

 

 

子どもといい関係を作って、

あとは信じて手放す。

これがいいよ。

 

 

今、公園で野放し。

コロナウイルスが拡がってる中で、

「それってどうなの?」って言われたら

そりゃ「ごめんなさい」だね。

 

 

でもさ、

「家で我慢させて、

それでもって家族とぶつかったり

こちらがイライラするよりは

いいんじゃないの?」

なんて思ったりもする。

 

 

ほどほどの距離で過ごすって大事だよ。

ちゃんと距離を取るのな。

 

 

コロナウイルスも、

子どもとの関係も、

距離が重要なようです。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。