言うことを聞いてくれない旦那にイライラしたときは…

夫婦の悩み

「してほしいこと」や「直してほしいこと」を伝えると、夫は意固地になって逆効果になってしまいます。
歯を磨いてお風呂に入ってからちゃんと布団で寝てほしいということや、使い終わった食器をベタベタのものとそうでないものと一緒にしないでほしいとか。


何とか上手にその気にさせるような伝え方があれば教えていただけますか。

 

他人は自分の思った通りには動いてくれないんだよね。

ちなみに、子どもは親の思ったようには育たないし。

 

 

つまりさ、人間関係において自分以外のことはコントロール不可能なことなんだよね。

 

 

たとえば我が家。

妻は玄関の靴をきれいに整理整頓することに、こだわりがある。

一方、僕はそこに無頓着。

それでよく文句を言われるんだけど、あまり直す気がない。

 

 

正直言うと「いちいちうるさいな」と思ったりもする」

靴を直すなんて2秒で終わる。

2秒で終わるのだから、そんなに気になるなら自分で直せばいい。

そんなことを伝えたら、2秒で終わることなんだから自分で直してよ、と言われる。

 

 

「大人なんだから…」と言われればそれまでなんだけどね、言われるとやりたくなくなるのもまた人間なんだよね。

 

 

一方で、僕はきれいな台所で作った食べ物を食べたいのだけど、台所はきれいにならない。

仕事から疲れて帰ってくると、散乱した台所を見てうんざりした。

 

 

で、妻に「きれいにしてほしい」とお願いしたわけだけど、「できないもん」という返事。

それで僕はせっせと台所掃除を始めた。

そんなところでぶつかっているぐらいなら、さっさと自分で心地よい空間を作った方がいい。

 

 

まあ、つまり、他人を変えるってのはむちゃくちゃエネルギーがいるし、そもそも他人は自分の思い通りには動いてくれないし、まあイライラの元でしかない。

 

 

そもそも、僕らは自分をコントロールすることすら苦手だ。

ダイエットは明日からだし、3日坊主の常習犯だ。

人間ほど意志の弱い生き物はないのではないか。

自分で自分をコントロールすることすら難しい。

 

 

まして、他人ならば尚更である。

自分のことですらコントロールできないのに、他人のことをコントロールしようだなんて傲慢でしかない。

 

そもそも人が変わるのは、あくまでもその人の意志である。

その人自身が「変わろう」と思ったときにしか人は変わらないのだと思う。

 

 

小言をガミガミ言われて変われる人はそれほど多くはない。

やはり相手の心が「変わろう」と思ってくれるアプローチがいいのではないか。

 

 

ウチは涙ながらに「だってできないもん」って言われて、僕は変わったかな。

「仕方がないなー」って思った。

じゃあ、俺がやるかーって。

 

 

「こうしてほしい」「ああしてほしい」と伝えるよりも、「それ、ホントに無理なんだよね」って気持ちを伝えて、感じ方の違いを共有することが大事かな、って思う。

 

 

「本当に苦しいの(涙)」

「嫌なものは嫌なの(涙)」

 

そうやって愛する人に伝えられたら、やっぱ人は変わるかな。

人間ってさ、論理で理解するけど、感情で行動する生き物だから。

「感情を動かす」って大事だよね。

 

 

やる気にさせるか、不安にさせるか。

頭で理解させるよりも、心を動かすアプローチをすることだよ。

 

 

その点じゃ「実家に帰らせていただきます」も効果的なのかもね。

「お風呂入らない」「歯を磨かない」を理由に実家に帰って報告されるの、けっこう恥ずかしいから。

心動くかもなぁ。

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。