あなたの「価値」を決めるのは「学歴」の「ある・なし」ではない


8万人のフォロワーがいるTikTokに動画を配信している。

「学歴」って正直言って、社会に出た後は、あんまり関係ない。

「学歴」があることは、確かに「入社するまで」は、採用する側は「ある程度の能力を保証する」という点で役に立つ。

あくまでも「採用側」にとって役に立つって話。

 

 

ところが、社会に出た後は、学歴を評価することはない。

そこで「何ができるか」が重要であって、「学歴」は考慮されない。

 

 

むしろ、高学歴であることは「◯◯大学を出てるのに、こんなこともできないの?」と、自分で自分の言動や知識に対する評価のハードルを上げてしまうことにもなりかねないわけだ。

 

 

それでも、やはり日本における「学歴信仰」ってすごいな、って思う。

8万人のフォロワーがいるTikTokに動画を配信している。

僕は「学歴」ってそんなに重要なことではないと思っているのだけど、「学歴信仰」をしている熱烈な「学歴信者」の皆さんから「偏差値が高い学校に行ってる奴は素晴らしい!」というコメントをいただく。

 

 

がんばってるんだろうな、と思う。

「学歴信仰」の人は、ずーーっと、ずーーっと学歴をつけるためにがんばってきたのだ。

その人生を捧げてきたと言っていいだろう。

 

 

だから、「社会に出たら、あんまり意味ないよ」という言葉は受け入れがたい言葉なのである。

 

 

そして、そういう人の自己肯定感というのは、恐ろしく低い。

「学歴がある人」は素晴らしく、「学歴のない人」は素晴らしくない、と考えている。

もっと言えば、「学歴がある私」は素晴らしく、「学歴がない私」は素晴らしくない、と考えてしまう。

 

 

「学校名」が自分の価値だと考えていること自体、心の礎は危うい状態にあると言える。

自分の価値は本来、外付けの何かで揺らぐものではないからだ。

 

 

受験に失敗した。

だから、私はダメな人間だ。

…と考える人がいる。

 

 

受験に失敗した。

ここの学校でがんばろう!

…と思う人もいる。

 

 

私の価値は「学校名」では決まらないと信じられる人は、後者のような考え方ができる人である。

 

 

そして、もう一つ。

保護者の中には、どうしても偏差値の高い学校や優良企業に入れたいと考えている人もいる。

口では「子どもの幸せ」を願って、と言うけれど。

実際には自分の心を埋めるためにがんばってしまう人も多い。

 

 

高学歴の子を育てた私は「母親」として価値がある、と考えてしまうからだ。

そうなると、子どもはたまったものではない。

親の価値まで、自分が背負うことになる。

子どもの成績は、親の価値ではない。

これははっきりと言及しておきたい。

 

 

さて、ある調査によれば、高学歴な人ほど心が折れやすいという統計があるらしい。

天才肌で適当に勉強していても成績が優秀なタイプがいるが、おそらくそういうたいぷではないのだろう。

 

 

親のプレッシャーに耐えながら、必死に勉強をし、その青春の1ページを学業に捧げ、ようやく手に入れた「学歴」で意気揚々と社会に出たら、それほど「社会」は「学歴」を評価してくれないという事実を知ったとき、心は折れてしまうのだろう。

 

 

「学歴」があってもなくても、あなたは愛される存在であり、その「価値」は変わるものではない。

そして、子どもの学力でもって、親の「価値」が決まるわけでもない。

 

 

そのことをお伝えしておきたいと思う。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。