「わかってくれない」を紐解けば、なぜミスコミュニケーションが起こるのかが見えてくる。

男女が仲違い

先日、ある女性が

「ウチの旦那、全然私の気持ちをわかってくれないんだよね」

と言っていました。

 

 

 

それで、僕はこう尋ねたんです。

 

 

 

「それで、君は旦那さんの気持ち、どのくらいわかってるの?」

 

 

 

そしたら、そのまま彼女は顔を真っ赤にして席を立ちました。

 

 

あとで、

「くれちゃんは全然私の気持ちをわかってくれない!」

と怒ってたって、お友だちが教えてくれました。

 

 

カップルの喧嘩

 

 

「わかってくれない」

 

 

 

 

こう嘆く人のほとんどが、相手の気持ちをわかろうとはしない。

これはなかなか人間という生き物を理解する上で面白いことだなと思うのです。

 

 

 

 

 

くどくど、くどくど、こんなことがあった、あんなことがあったって話す人がいます。

みんな、じっくり耳を傾けています。

でも、何が言いたいのか、さっぱりわかりません。

 

 

 

それで、「何が言いたいの?」「何が伝えたいの?」なんて尋ねる。

すると、「わかってくれない!」って怒るタイプの人たちがいて。

 

 

これを仮にタイプαと名付けましょう。

 

 

とにかく気持ちがわかってもらいたい人たちです。

でも、その「悲しい」とか「うれしい」とかを素直に表現できません。

 

 

だから、こんなことがあった、あんなことがあったって話す。

(ほら、この気持ち、わかるでしょ?)と伝えようとするんだけど。

そういうのがわからない人たちもいるのです。

 

 

タイプαから見れば、鈍感な人たちなんでしょうね。

では、これらの人を仮にタイプβと名付けましょう。

 

 

 

タイプαは、自分の気持ちがわかってほしくて「こんなことがあってね、あんなことがあってね」と話す。

でも、タイプβの人たちには何を言ってるのか、さっぱりわからない。

 

 

 

 

(これって何の話?)

 

 

 

 

頭の中に?がいっぱい並ぶんですね。

 

 

それで、タイプαの人たちは

「全然私の気持ちをわかってくれない!」

って怒るのだけど。

 

 

タイプβの人たちは

「そもそも何で怒ってるのかがわからない」

だったりするわけで。

 

 

こういうミスコミュニケーションを僕らは日々、研究しています。

 

 

それでこの「気持ちをわかってほしい人たち」というのは面白くて、自分の気持ちをわかってほしい割に、相手の気持ちをわかろうとしないところがあります。

相手が「それでは伝わらないよ」と言っているのに、伝わるように伝えようとはしないのです。

 

 

例えばの話をしましょう。

 

 

耳が悪くて、ほぼ物音が聞こえないBさんがいたとします。

その人に向かってAさんが話しかけるんです。

当然ですが、 Bさんには聞こえません。

 

 

それでBさん、

「ごめんなさい、私、耳が聞こえないんです」

と言います。

 

それなのにAさんは大声で話しかけるんです。

「なんで聞こえないの?」

って。

 

目の前に紙と鉛筆があって、書いてくれたらわかるのに。

「あの人、全然話を聞いてくれないの」

ってAさんは怒ってるわけです。

 

 

しかも、このミスコミュニケーションには、さらに大きな溝があります。

 

 

タイプβの人は、相手が何を伝えたいのかが理解できないので

「それってどういうこと?」

「何が伝えたいの?」

と尋ねます。

 

 

タイプαの人には、この

「それってどういうこと?」

「何が伝えたいの?」

という言葉が冷たく聞こえ、「わかってくれない」により拍車をかけるのだそうです。

 

 

 

つまり、タイプα「わかってほしい」と思いながら、相手の気持ちを「わかろう」とはせず、タイプβは相手の伝えたいことを「わかろう」としているのに、その言動こそが「わかってくれない」を引き起こしているのです。

 

 

タイプαタイプβのことをを「冷たい人だ」と言い、タイプβタイプαのことを「面倒臭い人だ」と思うわけです。

さて、あなたはどちらのタイプでしょうか。

 

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。