なぜあの人はいつも話を聞いていないのか、聞いてくれないのか
僕はいつもCrewDocks®︎のデータを、「人を理解するためのモノサシ」という伝え方をしている。
講座をしながら、受講生たちの話を聞いていると、本当にこれは人間という不可解な生き物を理解するのに役立っているのだと感じる。
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Ω(オメガ)タイプは、人の話を聞いていないことが多い。
そんな話をしたら、ご本人がウンウンうなづいていた。
それで話を聞いてみると、「ある程度聞けば理解できる」と自分自身は感じているらしい。
人の話の10%ぐらいを聞けば、残りの90%はイメージを膨らませて埋めていく感じ。
それを「勝手な解釈」というならば、その通りなのだけど、彼らはそうやって抜け落ちた情報をイメージで補完していく。
イメージを膨らませている間は、脳は宇宙を彷徨っていて、「今ココ」にいない。
だから、話を聞いていない。
ニコニコと人の話に相槌を打つから、話をしている人は「よく聞いてくれてうれしいな」と思うのだけど、それでいざ「どう思う?」なんて尋ねると、「え、わかんない……」と空返事が返ってくる。
「聞いてなかったんかい!」と思わずツッコミを入れるのだけど、彼らは別に悪びれる様子もない。
覚えておきたいのは、そういうコミュニケーションになりがち、ということ。
10%ぐらい、ちゃんと聞く。
「わかった!」と思った時点で、お耳がシャットダウンする。
意識は宇宙に行き、「そっか、この人はきっとこんなことが言いたいんだろうな」と想像している。
だから、とても理解してくれる。
深い深い理解であり、深すぎるゆえに、「そんなことは言ってないぞ」になる。
つまり、その理解は正確とは言えない。
「そんな人、世の中にいるの?」と思うだろうけど、この世界の25%ぐらいは、そんなコミュニケーションをしている。
にわかには信じがたいけど、講座をしてそんな話をすると、「そう!その通り。よくぞ理解してくれました」という顔をしながらΩ(オメガ)タイプの人がうなづいてくれる。
こうやって講座をしている僕だって、毎度毎度同じ話をしているクセに、深くうなづくΩ(オメガ)タイプを見て、「本当かよ?」と思いつつ話している。
だから、CrewDocks®︎のデータは「人を理解するためのモノサシ」になる。
これを使って自分のコミュニケーションを眺めてみる。
すると、ミスコミュニケーションの原因が見えてくる。
僕らβ(ベータ)タイプにとって、コミュニケーションとは「情報伝達」である。
こちらが伝えたいことをできるだけ正確に伝えたい。
もちろん、「正確に伝えたい」はα(アルファ)タイプも同じ。
けれど、この「正確」という言葉の捉え方は、それぞれに違いがある。
β(ベータ)タイプは、効率的かつ「正確」に伝えることを試みる。
だから、まず結論を言い、その後で意味を付け加える。
「これってこうなんだよね」と結論を言う。
そして、「ってのはさ、こうで、ああで」と意味を付け加えていく。
こちらが伝えたいことが伝わればいい。
それ以外の情報はなくたっていい。
一方で、α(アルファ)タイプは自分がどう感じたか、どんな気持ちでいるか、まで含めて「正確」に伝えたい。
だから、まず前置きをする。
そのうえで、1から10まですべて話す。
ゆえに話が長くなる。
全部伝えたいのである。
だから、途中で話を遮られると、とても不満が残る。
あまり人の話を聞いていないΩ(オメガ)タイプはニコニコ話を聞いてくれる。
聞いていないが聞いてくれる。
逆に、β(ベータ)タイプは、ちゃんと聞いている。
ちゃんと聞いているが、α(アルファ)タイプの伝えたいことがよく理解できない。
結論が見えない。
そりゃそうだ。
結論は最後なのが、彼らのコミュニケーションなのである。
だから、β(ベータ)タイプは話を遮ってしまう。
「つまり、どういうこと?」
「こういうことが言いたいの?」
本人には悪気がなく、「よくわからない」から理解するために、話を遮るわけだが、これがα(アルファ)タイプにとっては、「この人は話を聞いてくれない人だ」という認知につながる。
したがって、αとβのコミュニケーションは衝突しやすい。
衝突しやすいと言っても、喧嘩になるわけではない。
そうなる前に終わってしまう。
「言ってもムダ」
「伝わらない」
「話、長っ!」
「話、聞かねー」
となる。
ミスコミュニケーションはコミュニケーションの違いから起こる。
こういうことは伝え合わないと伝わらない。
そもそも、コミュニケーションなんてものは「伝わらない」を前提に伝え合うのが良い。
この世界には、話を聞いてない人と、話を聞かない人がいて、案外それは聞いてもらえない人の会話の仕方に問題があったりして。
そんなわけで、ミスコミュニケーションは絶対起こるものなのである。
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