なんかムカつく人の正体

芸能人のネットニュースのコメント欄を見ていると、「あの役者は性格が悪い」というような言葉を見つけました。
これはなかなか面白い話です。
なぜならそのコメントを書いている人は、その役者さんに会ったことがないからです。
テレビや映画の中での役柄を見て、その人の性格を自分の中で構築してしまったわけです。
そもそも性格というものは、その人のある一面を切り取ったものに過ぎません。
たとえば我が子を見ていても思うのです。
僕に見せているのは、息子としての姿です。
学校では「生徒」としての彼を見せているでしょうし、友人には「級友」としての彼を見せているでしょう。
僕らはいろんな面があって、いろんな角度から眺めてないと、本当の「私」は見えません。
ですから、本当の「性格」なんてものを言語化するのはとても困難なことなのです。
しかし、僕らは人を見て「なんかアイツ、ムカつくわ」と感じたりします。
性格なんて本当はよくわからないのに「あの人は性格が悪い」なんてジャッジしたりします。
これ、簡単にいうと「相手の言葉や行動が気に食わない」というだけの話です。
相手の性格が悪いわけじゃないんですね。
シンプルに、嫌いなんですww
それを正当化するためには、「あの人は性格が悪い」としておいた方が都合がいいのです。
人間関係を構築するときは「あの人は性格が悪い」で片付けてしまわないことが大切です。
そう考えてしまうと、それ以上その人のことを理解しようとする気持ちが薄れてしまうからです。
「相手の言葉や行動」について何が気に食わないんだろう?と自問自答してみると良いかもしれません。
ところで、「心理学」の用語に投影という言葉があります。
嫌いな人の言葉や行動の中に、自分自身の嫌いなところや見たくない部分がある。
これを影(シャドウ)と呼びますが、その影の部分を見させられて、「なんかムカつく」と感じてしまうのです。
嫌いな人をよく観察すると、「あー、そんなところ、自分にもあるな」と気付かされたりします。
僕は昔、すごく苦手な同僚がいました。
その人はとてもいいかげんな人でした。
それなのに、みんなの中心にいて、何かとチヤホヤされる人でした。
でも、あるとき、その人の中に「自分の影」を見た気がしました。
いいかげんなのに中心にいる。
そのいいかげんさは、自分の中にある潔癖さとぶつかっていました。
「嫌いなのは似てるからだ」と悟ったとき、何だか妙にくすぐったいような、恥ずかしような、情けないような、そんな気持ちになりました。
「なんかムカつく」と感じたときこそ、相手の性格のせいにせず、自分の中にある本当の気持ちと向き合うチャンスなのかもしれません。
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