人間関係を構築する第一歩は、理解しようとすることです。
僕らは一人で生きていくことができません。
だから、必ず誰かと関わって暮らしています。
家庭では夫や妻、子どもたちと。
一歩、家庭を飛び出せば、地域の人がいて、駅には駅員さんや見知らぬ人たちがいて。
職場では同僚や上司、部下、お客様がいて。
僕らは一人になる時間はあっても、一人で生きていくというのは不可能です。
人間の悩みのほとんどは人間関係の悩みだと言われています。
「あの人の言っていることはおかしい」
「あの人のやっていることは間違っている」
なんで?なんで?なんで?
僕らはそうやって、自分と主義主張の異なる人、考え方の異なる人、価値観の異なる人、とにかく自分と違う人を見て、「なんで?」という問いを繰り返します。
人の性格は変えられない。
人の考えも早々には変えられない。
それなのに、僕らは他人を変えることには一生懸命です。
でも、僕らにできることは「理解すること」しかありません。
その言葉の裏には何があるのか、その行動の背景には何が隠されているのか。
そういうことを理解しようとして初めて、僕らの距離は縮まるのです。
ここに「人間関係を整える」ためのヒントが隠されています。
ある男の子がいました。
この子はひどく暴力を振るう子でした。
クラスメイトはこの子を「暴力的な子だ」とレッテルを貼り、先生たちも注意深く見守りました。
「暴力的な子」というフィルターで彼を眺めてしまったがために、先生は事あるごとに注意しました。
些細なことでも注意しました。
だから、彼は「先生に信頼されていない」と感じていました。
あるとき、また彼は暴力を振るいました。
クラスメイトは断罪し、先生はロクに彼の話を聞かずに叱りつけました。
彼にはお母さんしかいませんでした。
お母さんは体が不自由で、いつも足を引きずって歩いていました。
お母さんは彼にはとても優しい母親でした。
クラスメイトがそんなお母さんのマネをしたのです。
足を引きずって歩くマネをして、馬鹿にしたのです。
彼は怒り、暴力を振るいました。
決して暴力は許されることではないけれど、その事件の背景を知ると見え方はまったく変わってきます。
彼の話を聞いて「理解しよう」と努めた先生がいました。
先生は怒らず、彼の話に耳を傾けました。
最初は他愛のない雑談から入り、最近の様子などをおしゃべりしました。
「どうせ叱られる」と思っていた彼は、拍子抜けしポツリポツリと家庭の話をしてくれました。
それで母親の話をしてくれて、「クラスメイトが母親のマネをしてきたんだ」とつぶやきました。
すべては
「理解しようとすること」
から始まります。
「理解すること」は簡単ではありません。
でも、「理解しようとすること」は誰にでもできます。
人間関係を整えることにつながることがご理解いただけたのではないでしょうか。
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