怒りは自然発生するものー感情はコントロールできないー
些細なことで、急に怒りが沸くことがあります。
先日、あるイベントのスタッフとして大きなスタジオにお邪魔したときのこと。
そのスタジオには部屋がいくつもありました。
それで電光掲示板に、「○号室はどこどこが使っていますよ」というのが表示されていました。
後から来るスタッフに、僕らがどこにいるかを教えてあげようと、僕は自分のスマホでどの電光掲示板を撮影しました。
すると、僕の背中側に事務所の受付窓口があって、そこに座っていた若い女性が「個人情報の漏えいになりますから撮影しないでください!」と言いました。
それは怒気のこもった声色でした。
僕はムッとしたけれど、ギュッとその感情を抑えて、すぐに撮影したものを削除しました。
電光掲示板の周りには「撮影禁止」とは書かれていません。
僕は突然叱られた怒りは、その日1日消えることはありませんでした。
何だかモヤモヤとした、行き場のない気持ちを抱えたまま過ごしました。
自分が主催のイベントでしたら、その場で文句の一つも言っていたのでしょうが、他の方の主催イベントだけに、ご迷惑をお掛けしてはいけないと思ったからです。
感情とは、人間が他人や物事に対して抱く気持ちのことです。
喜怒哀楽などと表現します。
性格のようなあやふやなものと違い、感情はわかりやすいのが特徴です。
ところで、感情というものは自分の意思とは関係なく発生します。
僕は怒ろうと思って怒ったわけではありません。
受付の女性の一言で、僕の意思とは関係なく、「怒り」という感情が発生しました。
この「感情」をコントロールするのが「理性」です。
「主催者さんに迷惑をかけてはいけないな」と考えた、つまり「思考」した僕は、自分の「理性」で「感情」をコントロールしました。
「感情」は脳の真ん中にある大脳辺縁系でスイッチを入れています。
哺乳類で最も古くから発達した部分です。
危険が迫ると「恐怖」という感情を発生させ、「逃げる」「戦う」といった行動を促します。
ですから、沸いてくる感情を抑えることは難しいのですね。
腹が立つことをされれば「怒り」が沸いてくるのを抑えることはできないのです。
ただ、その「怒り」をどう表現するかは、「理性」です。
暴言を吐いたり暴力を振るうような人はやはり理性的ではありません。
腹が立ったから暴力を振るうような大人は、やはり稚拙を言わざるを得ません。
児童生徒にしろ、選手にしろ、部下にしろ、あなたをイライラさせる行動や発言する人は必ずいます。
イライラした気持ちになることは自然なことです。
あなたの人間的な器が小さいわけではありません。
問題はその「怒り」をどう昇華していくか。
いかに「理性的」に振る舞うか、にかかっているのです。
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