どうしたら部下や選手、児童生徒のやる気を引き出すことができるか
部下や選手、児童生徒の「やる気」を引き出したいというお声をよくいただきます。
この「やる気」について考えてみたいと思います。
内発的動機という言葉があります。
自分の中から「これがやりたい!」と沸いてくる気持ちです。
この気持ちに乗って仕事をすると、僕らはいわゆるフロー状態になります。
弊社開発の人材分析システムCrewDocks®︎。
このエンジン部分を開発しているとき、僕は何度も徹夜で仕事をしていました。
時間を忘れて没頭する。
楽しくて楽しくて止められない。
そんな状態がフロー状態です。
学校の先生をしていた頃は、卒業式の前日ともなると、深夜まで子どもたちに手紙を書いたりもしました。
やらされてやるのではなく、やりたくてやっている。
そんな状態になると、仕事の質もスピードも大幅にアップします。
フロー状態になるためには5つの条件があります。
①「やりたい」と思っている
②喜んでくれる人の笑顔が浮かぶ
③チャレンジ
④工夫する余地
⑤邪魔されないで心から楽しめる環境
内発的動機からスタートする。
これが第一歩です。
昔、若い先生が講師を呼んで講演会をしたいと言いました。
講師にはホームページもなく、ちょっと胡散臭くもある。
SNSぐらいしか情報がない。
その先生は職場であまり信頼されていない先生でした。
だから、彼が企画を作ったところで、なんやかんやと言われて企画が通らないことは目に見えていました。
僕は一言「本当にやりたいの?」とだけ尋ねました。
彼は「やりたいです」と答えました。
僕はすぐに企画を作り、事務員さんに予算の確保をお願いし、各部署と段取りをつけた上で、管理職に提案に行きました。
二つ返事とはいきませんでしたが、渋々ながら了承していただきました。
それで彼に「企画は通しておいたからがんばりなさい」と伝えました。
彼は彼なりにがんばって仕事をやり抜きました。
まずは「やりたい」の背中を押してあげることが大切です。
そして、その仕事が誰かの笑顔につながっていることも大事です。
誰も喜ばないような仕事はやりがいを感じません。
金銭的な報酬では、人の心は動かないんです。
喜んでくれる人が浮かぶ。
笑顔のお客様が浮かぶ。
これ、すごく大事なんです。
また、新しい取り組みですね。
チャレンジの部分があると良いです。
過去にやったことの焼き増しでは、人はなかなかやる気になりません。
やったことのないこと、未知の部分があること。
そういうときって燃えますよね。
このやり方でいいのかな?
大丈夫かな?
それは確かに不安ではあるけれども、やりがいも大きいです。
だから、チャレンジの部分が必要なんですね。
それに関連して、自分で工夫する余地を残しておいてください。
1から10まで指示をされると、仕事って面白くなくなります。
特に「任せた!」と言っておいて、「全然任されてないじゃん!」みたいなのが一番やる気を失います。
任せたなら、しっかり任せ切った方が良い。
自分の思った通りにやらせたいなら任せちゃダメです。
任せるってことは、そういうことです。
でも、ケツは拭いてやらなきゃいけない。
だから、リーダーは大変です。
前述の講演会、僕は彼に任せました。
進捗の確認だけはしましたが、正直言って本当にちゃんとやれるのかとても心配でした。
それで僕はプランBを用意しておきました。
もし企画が頓挫したら、これをやってリカバリーしようというプランBです。
そういうものを持っているだけで安心して仕事を任せることができます。
「最悪の時はこうしよう」という切り札を手札に隠し持っておきましょう。
最後は、邪魔されない環境です。
「あれはダメ」「これはダメ」と言わない。
背中を押し、応援してもらえる環境が必要です。
これだけのものが揃うと、人はやる気になります。
もう一度見ておきましょう。
①「やりたい」と思っている
②喜んでくれる人の笑顔が浮かぶ
③チャレンジ
④工夫する余地
⑤邪魔されないで心から楽しめる環境
そう考えると人にやる気を出してもらうって、すごく大変なことなんですよね。
やる気を出させる側にも、覚悟が必要なことがわかります。
「もっとやる気を出せ!」と言ったところで、人はやる気になりません。
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