冷たい人とお節介な人はどちらが優れた人材か
「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ」という言葉があります。
自分がされて嫌なことを他人にするな、という意味ですね。
この反対は、「自分がされてうれしいことを相手にしよう」なのですが、自分がされてうれしいことが相手もされてうれしいかというと、必ずしもそうではありません。
あ、もちろん、自分がされて嫌なことが必ずしも相手にとって嫌なこととは限りませんが。
倫理的に考えても、自分がされて嫌なことを相手にするってのは、あまり気持ちの良いことじゃございません。
でもですね、自分がされてうれしいことを人にするってのは気持ちがいいんですね。
良いことをしている感じがします。
「良かれ」と思ってやってことで相手を怒らせるなんてことがよくあるわけです。
「良かれ」と思ったときは注意が必要です。
あるご夫婦のお話。
奥さんがとっても美味しいドレッシングを買ってきました。
夕食はサラダで「美味しいから食べてみてよ」と言いました。
ドレッシングが「にんじんドレッシング」で、旦那さんはにんじんがあまり得意ではありませんでした。
それで、「マヨネーズで食べたい」と伝え、冷蔵庫からマヨネーズと取り出しました。
ところが、彼女は「美味しいから一度食べてみなよ」と言って、ドレッシングをかけてしまったのです。
旦那さんは悲しい気持ちになりました。
自分はマヨネーズで食べたかったのに。
こんな話をすると、「いいじゃん、一度ぐらいドレッシングの味を試してみれば」と言われます。
でも、そうではないんです。
「自分はこうしたい」という選択を聞いてもらえない。
そんな経験を彼は何度も何度も繰り返してきました。
奥さんは「良かれ」と思って、いろいろ世話を焼きます。
でも、彼は世話を焼いてほしくないタイプの人間でした。
自分のことは自分で決めたい、選択したい。
そういうタイプの人に対して「良かれ」と思って、あれこれ世話を焼くと疎まれます。
基本的に「世話を焼くタイプ」の人は「世話を焼かれたいタイプ」でもあります。
人間関係は鏡の部分があって、「世話を焼かれたくないタイプ」は世話を焼きませんから、冷たい人に見られがちです。
一方、「世話を焼くタイプ」は自分も世話を焼かれたく、お節介に見られがちです。
ですから、こういう二人が一緒にいるのは、なかなか困難なことが多いわけです。
これは夫婦においても同じです。
自分でサクサク仕事をこなしていくようなタイプの人は、お節介な人が少ないでしょう。
ですから、自分の仕事が終われば「はい、終わり」というところがあって、周りの人から「早く終わったなら手伝ってよ」と思われます。
逆にお節介なタイプの人は、自分の仕事が終わってないのに他人の仕事を手伝っていたりして「早く自分のことやりなよ」と思われていたりします。
人間というのは面白い生き物です。
ちょうど良い人ってのはなかなかいなくてですね、どっちかに偏ってしまうのですね。
あなたはどちらでのタイプでしょうか?
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