MLMの沼にハマった人と話をして気づいた人間の奥ゆかしさ

ビジネスをしている女性

ネットワークビジネスの沼にハマっている女性にお会いしたときのことです。

「人間を理解するのに、これほど興味深い教材はいないな」と思い、話を伺いました。

 

 

僕は「人間とは何か?」にとても興味があります。

この不可思議な生き物を解明したいと思っています。

 

 

彼女はこれまでいろんなネットワークビジネスに手を出してきました。

でも、何一つうまくいかなかったんだそうです。

 

 

それでまた、新しいネットワークビジネスの会員になりました。

今度こそ成功できそうだ、とおっしゃいます。

ただ、まだ何も行動はできていないそうです。

 

 

世の中ではよく、「ワクワクすることをやりなさい」という話を耳にします。

心が「これをやりたい!」とパッションを感じること。

それは内的動機づけといって、行動するのにとてもパワフルです。

 

 

それで僕は「それをやっている自分にワクワクします?」と尋ねました。

彼女は「すごくワクワクするんですよね」と答えました。

 

 

正直言うと、話を聞いていて「売っている商品」が僕にはまったく魅力的に見えませんでした。

(その商品、売るの、楽しい?)と感じたんですね。

 

 

それで、「どんなことがワクワクするんですか?」とさらに尋ねました。

すると、「権利収入で自由なお金が手に入って好きなことができる暮らしを想像するとワクワクします」と答えました。

 

 

僕は内心(そりゃ、そうだよ)と思いました。

そこだけ想像すれば、誰だってワクワクします。

 

 

僕も足を運んだことがありますし、売り込んでくる人の話を聞いたこともあります。

みんな、夢のような暮らしの話をし、「誰でもできる」「簡単だ」と言います。

 

 

綺麗なところだけ見せてワクワクさせて契約させるんですよね。

彼女もこうやって「華やかな未来」にワクワクして、いろんなネットワークビジネスに手を出してきたわけです。

 

 

僕が「それをやっている自分にワクワクします?」と尋ねたのは、そんな意味ではありません。

「その商品を販売する仕事をすることそのものにワクワクしますか?」と尋ねたわけですが、それは通じませんでした。

 

 

「行動ができない」と言いますが、行動できないのは内的動機がないからです。

心の内側から本当に「やりたい」と思っていたら、人が止められたって行動してしまう生き物なのです。

 

 

トイレに行くとき、心の底から「行きたい」と思いますよね?

止められたってトイレに駆け込みますよね?

そういうものなんですww

 

 

成果を出すためには、必ずプロセスがあります。

「こうなったらいいな」「ああなったらいいな」と誰もが望むけれど。

そこにたどり着くためのプロセスを、ちゃんと歩める人は少ないです。

 

 

行動するなら、そのプロセスにワクワクできるか、が重要です。

成果ではなく、プロセスそのものが好きか、なんですね。

 

 

いろんなネットワークビジネスに手を出し、どれも成功できませんでした。

その経験があってなお、ネットワークビジネスをやろうとします。

いつか成功したいと夢見ています。

 

 

ああ、なんだかこれ、宝くじを買う人の心理と似ているかもしれない。

当たるはずの宝くじは、ある意味では夢を売っています。

 

 

もしかしたらネットワークビジネス界隈の人たちも、少しだけ弱いタイプの人たちに、夢を売っているのかもしれないな、と思いました。

 

 

他人が成功しようが失敗しようが、僕の人生には1mmも関係がありませんので、それ以上深入りはしませんでしたが。

 

 

つくづく人間って面白い生き物だなと思います。

自分の内側から湧いてくる情熱と、それとはまったく別種である欲望とを区別できないと、人生に影を落とすことになります。

 

 

僕はわりと欲望強めの人間です。

こういうことは「自分を知る」を繰り返してきたから、本当によくわかります。

だから、ワクワクしたときは、それがパッションから生まれたのか、欲望から生まれたのか、よくよく自分と対話することにしています。

 

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。