相性の良い人を見つけるよりも、好きになった人とうまく行く配慮ができることの方が大事

結婚式の男女のシルエット

「俺、そんなこと、言ったっけ?」

と思うことがよくあります。

 

 

「先生にあのとき、こう言っていただけてスッキリしたんです」

 

 

小6の息子さんをもつお母さんに言われてドキっとしました。

「こう言っていただけて」の「こう」に当たる言葉に、僕は記憶がありませんでした。

 

 

僕らは自分の行動や言葉に無頓着なところがあります。

何気なく話し、何気なく行動しているので、それほど記憶には残っていません。

 

 

ところが、言われた方やされた方はずっと心に引っかかっていて、つまりは鮮明に記憶されていて、「いつまでも覚えている」なんてことがあります。

 

 

あるお母さんが、「出産のときに旦那に言われた一言が未だに許せない」とおっしゃっていました。

息子さんはもう二十歳を過ぎています。

もうはるか昔のお話なので、当然ですが旦那さんは「俺、そんなこと、言ったっけ?」なのでありますが、奥様の方はしっかり覚えていて。

 

 

こういうところで、男女はすれ違うんですよね。

 

 

さて、「許す」という言葉があります。

 

 

人の心はグラスのようなもの。

怒りや悲しみは、そのグラスの中にどんどん溜まっていって、あるとき溢れます。

我慢に我慢を重ねて、最後に積もり積もって怒りが爆発するのは、そういうことです。

 

 

それで、その怒りや悲しみは「許す」ことで、爆発を防ぎます。

面白いのは、男性の「許す」は、まさに「水に流す」ですね。

グラスの中に溜まってもの全部、水に流して空っぽにする。

これが「許す」です。

 

 

ところが、女性は違うんだそうです。

「グラス」のフチを少しだけ高くして、許容量を増やす。

これが女性の「許す」です。

執行猶予みたいなもの。

 

 

女性は忘れません。

ただ、怒りが爆発するのを先送りにしているだけです。

 

 

そういうことに気づかぬ男性は地雷を踏みます。

忘れたわけじゃないんです。

そういう感覚の違いを知っておくのが、パートナーシップの秘訣です。

 

 

先日、若い男性から「今の彼女と結婚していいか、そんな相性もわかりますか?」と質問されました。

これは本当に多い質問で、弊社の人材分析アプリを使って、相性の合う人を見つけられるかとよく尋ねられます。

 

 

理論上は可能です。

でも、僕はそんな使い方はしない方がいいと思っています。

 

 

まず、あなたが相手のことを好きかどうか。

これがすべてです。

相性が良くても、好きじゃない人となんて一緒になれません。

 

 

好きなら一緒になればいいんです。

ずっと一緒にいたいと思うなら、どんな相性だろうと一緒になればいいんです。 

 

 

ただ、結婚生活にはたくさんの困難が付き物です。

なにせ、違うDNAをもち、別の家庭で育った人間同士が、一つ屋根の下で生活を共にするのです。

そりゃ困難はありますよ。

 

 

そんなとき、どうコミュニケーションを取ればいいか、どう関わればいいか。

そういうことを知っておいて、相手に対して配慮することの方が100倍大事だと思います。

 

 

好きな人と結婚すればいい。

だけど、好きな人と幸せな結婚生活を送るには、それ相応の配慮が必要だということです。

幸せは歩いてこない。

だから、歩いていくのだよ。

 

 

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。