うまく成果が出せていない人に「がんばります」と言わせてはいけない
成果とプロセス、褒めるならどちらが良いか、という議論があります。
子育てにおいては、「プロセスを褒めるべきだ」というのが定説だったりします。
正直を言うと、うまく行ってるときは、どちらでも良いように僕は思うんですね。
成果が出ているなら、成果を褒めてもいいし、がんばり(プロセス)を褒めてもいいんです。
100点取ったなら「100点を取った」という成果を褒めてもいい。
100点を取るためにがんばった、そのがんばり(プロセス)を褒めてもいい。
うまく行ってるなら、褒めればいいんです。
あんまり考えすぎず、「よくがんばったね」で良い。
人間は誰だって褒められれば嬉しいですからね。
やはり問題はうまく行かなかったときではないでしょうか。
成果が出なかったときに、どうアプローチするか。
ここですね、ここ。
マネジメントが上手ではないリーダーは、人間を「目標」でコントロールしがちです。
「目標」を掲げて達成すれば賞賛するけれど、達成できなかったときに「もっとがんばれよ」とアプローチしてしまうんですね。
マネジメントに長けたリーダーは、「行動」を促していきます。
ここがポイントなんです。
目標を達成できなかったとき、見つめることは「成果」ではありません。
見直さなきゃいけないのは「プロセス」です。
正しい「プロセス」を経ていないから「成果」が出ないわけです。
今、僕は名古屋駅にいるとします。
目標は「東京駅に行くこと」だとしましょう。
それで、新幹線に乗ります。
着いた駅はなんと新大阪です。
上司が叱りますね。
「東京駅だと言っただろ?なんで大阪にいるんだよ!」と。
はい、これがダメなマネジメントです。
抑えたいのは、「大阪駅にいること」ではありません。
「なぜ名古屋駅で乗る新幹線を間違えたのか」ということです。
成果が出ないときは、そのプロセスに問題があったのですから、プロセスに目を向けなきゃいけません。
テストで100点を取ること目標で、結果として100点を取れなかったとしたら、勉強の仕方が適切であったかというプロセスを見つめ直す必要があるわけです。
マネジメントに長けたリーダーは、このプロセスを見つめ直し、プロセスを修正させることに長けています。
だから、組織をより良い方向に導きます。
マネジメントされる側も、「次はこれを気をつけよう」「次はこれをやってみよう」と前向きな気持ちになっています。
それが主体的な行動を促すのです。
一方、目標でコントロールしようとするリーダーは、成果を出した人を賞賛し、成果を出せなかった者を責めます。
「もっとがんばれ!」と言いますが、「何をがんばったらいいのか」という具体性はありません。
ですから、マネジメントされる側は口癖のように「次はがんばります」と言います。
「何をがんばるの?」と尋ねると、口篭ってしまうわけですね。
もうね、何をがんばるかわからないのに、「がんばります」と言わせてしまったら、マネジメント失敗なんです。
うまく行かないときは、一緒にプロセスを見つめ直し修正する。
「がんばる」ではなく「次はこれをやってみよう」と思わせるのがリーダーシップでございます。
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