チームが壊れるのは、リーダーが不具合を放置したとき


これからの時代、リーダーに求められるのは組織の整体師のような存在になることである。

組織の整体師とは何ぞや?

そう思った方は、ぜひ最後まで読んでほしい。

 

 

組織で働いていると、「仕事のできる人」と「仕事のできない人」に、どうしても分けられてしまう。

では、その仕事が「できる」「できない」というのは、どこで分けられるのだろうか。

 

 

その一つの指標は「完了」までのスピードである。

「仕事のできる人」はサクサク終わらせ、「仕事のできない人」はいつまでも終わらないでいる。

 

 

そこで、仕事が終わらない人を観察していると、面白いことがわかった。

なんといっても、フリーズしている時間が長いのである。

 

 

仕事ができる人は、どんどん手を動かす。

どんどん手を動かすから、仕事がどんどん終わっていく。

 

 

仕事の遅い人は止まっている時間が長い。

それもそのはず。

誰もが指は10本しかなく、腕も2本しかないのだから、作業そのもののスピードに個体差はほぼない。

 

 

そこに差が出るとしたら、作業している時間と停止している時間の比率の違いだ。

仕事の早い人は作業している時間が長く、仕事の遅い人は停止している時間が長い。

 

 

では、停止しているからサボっているかというと、そうではない。

ここに問題のポイントがある。

 

 

仕事の遅い人をよくよく観察していると、物事の優先順位がつけられないでいる。

何から始めれば良いかがわからないのである。

 

 

「じゃあ、とりあえず何かやれよ」と思うわけだけど、優先順位がつけられない人は、その「じゃあ、とりあえず何かやれよ」の「何か」が決められないのである。

 

 

だから、「仕事のできない人」は、「今、それじゃなくね?」みたいな選択をしていることが多い。

それでリーダーが進捗確認をして、「なんで、それやってるの?こっちの仕事は終わったの?」なんて叱られていたりする。

 

 

もちろん仕事が遅いのは、他にもいろいろ理由がある。

例えばPCの入力が遅い、みたいな技術的なことは叱って改善するものでもないし、持って生まれた素養もある。

それを解決するのは容易なことではない。

 

 

ただ、停止している時間の長さは、いくらでも改善可能である。

その原因が「優先順位をつけられないこと」にあるならば、リーダーが少し工夫すれば問題解決できる。

 

 

リーダーが仕事を細かく分け、スモールタスクに変換する。

そして、その優先順位を示してあげればいい。

 

 

まず、これをしなさい。

次にこれをしなさい。

 

 

その一つ一つを進捗確認しながら進むのである。

 

 

で、こういうことは「仕事のできる人」にとってはウザいだけなので必要ない。

マネジメントは誰にでも一律同じようにやるものではない。

 

 

一人ひとりの個性に応じて関わり方を変えることが望ましい。

ほっておいても仕事をする者はほっておけばいいし、手をかけねばできない者には手をかければ良い。

 

 

それぞれのつまづきに気づき、必要なフォローアップをすることで、チーム全員が目標達成できるようにする。

それこそがリーダーの仕事ではないだろうか。

 

 

先日、ある経営者さんと話をしていて、サッカーで膝を痛めてしまったと嘆いていた。

悪いことに、膝を庇って歩いているうち、今度は腰にきてしまい、ついには椎間板ヘルニアになってしまったのだと言う。

 

 

組織も同じで、どこかに不具合が起きると、他の部位にまで不具合が生まれる。

いや、「できる人」がやる気をなくすのは、まさに身体の要である腰を痛めるようなものだ。

 

 

だから、リーダーは不具合を見つけたら、ちゃんと整えておく必要がある。

その点で、リーダーは整体師のような存在でなければならない。

 

 

「あいつは仕事が遅い!」と「できない人」をほったらかしにしておくと、他の部位に支障をきたす。

だから、不具合をよくよく観察し、手を尽くすしかない。

 

 

膝が痛い人に「もっとがんばれよ!」と言ってみたところで、膝は良くならないのである。

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。