よく考えて行動するべきか、行動しながら考えるべきか ーDOC理論・人の行動ー

考えを押し付ける人

高等専門学校に通う長男はロボコンをやりたくて高専に入学した。

上海に住んでいた頃、ロボットやプログラミングを学び始め、帰国してもそれを続けた。

中3になってグングンと成績を伸ばし、なかなかの難関校である高専に入ることができた。

 

 

僕らは人を、3つのタイプに分類している。

α(アルファ)タイプβ(ベータ)タイプΩ(オメガ)タイプ

その人のものの見方や感じ方の傾向を3つのタイプに分類している。

 

 

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β(ベータ)タイプである長男は、目標達成から逆算した考え方をする。

今回、高専ロボコンの東海北陸大会に出場し、第2位の成績を納めた。

おかげで全国大会への出場を決めた。

彼が通う高専は2006年以来、17年ぶりの全国大会だそうだ。

 

 

寮で暮らすことを楽しみに高専に入学したのだけど、コロナ禍の中で自宅からの通学を余儀なくされた。

結局、最後まで寮に入ることはできず、今も1時間半の距離を通っている。

 

 

夜遅くまでロボット作りに励み、長距離を移動して帰ってくる。

リュックには設計用の大きなノートパソコンが入っているから、鍛えている僕の身体でもすごく重い。

 

 

それでも投げ出さず、取り組み続ける姿は尊敬する。

好きなことだからこそ続けられるのだろう。

 

 

β(ベータ)タイプの人は行動力のある人が多い。

いや、行動力ではないな。

「決める」とやり遂げる人が多い。

 

 

動き出すまでは時間がかかるが、「これ」と決まると休まず動く。

これが目標達成から逆算した考え方をする人の特徴である。

 

 

ゴールまでのルートが見つかれば一気に動く。

ルートが見つからないうちは動かない。

 

 

だから、一見すると動きが鈍く見える。

それでも成果を出すのは早い。

動き出したら止まらないからだ。

 

 

この傾向はα(アルファ)タイプ黄色緑色の人にもいえる特徴である。

ゴールから逆算するので最短ルートを通ろうとする。

 

 

とりわけβ(ベータ)タイプ緑色の人は無駄を嫌う。

最後の最後に動き出し、最後に勝ちを拾っていく。

負け戦はしないタイプである。

 

 

 

一方、Ω(オメガ)タイプは積み上げ型で考える。

まずやってみる。

やってみて、「どうしようっかな?」と考えて、またやってみる。

だから、すごい結果も出すし、散々な結果も出す。

 

 

動き出すのは早いが、成果までは近かったり遠かったりする。

β(ベータ)タイプが考えてから動くのに対してΩ(オメガ)タイプは動きながら考えるのである。

 

 

したがって、「東京に行く」というゴールであれば、β(ベータ)タイプはまっすぐ東京に向かうわけだけど、Ω(オメガ)タイプは「気がつけば大阪」という場合もある。

 

 

早い話、価値観の違いであって、β(ベータ)タイプは目標を決めたらそれを成し遂げることに価値があると考えている。

 

 

ところが、Ω(オメガ)タイプは「より良い答え」に辿り着けるならば目標とは違ったところにゴールがあっても構わないと考えている。

 

 

β(ベータ)タイプの喜び、つまり満足感というのは目標を達成することにあり、Ω(オメガ)タイプの喜びはどこまで輝けるかという可能性の追求にあるのだ。

 

 

なお、この積み上げ型思考をする傾向はα(アルファ)タイプ赤色青色にも見られるようだ。

 

 

で、積み上げ型の行動がβ(ベータ)タイプには行き当たりばったりに見える。

ハラハラするし、何も考えていないように見えてしまう。

一方で、目標逆算型の行動がΩ(オメガ)タイプには「考えすぎじゃね?」と感じるらしい。

 

 

ところが、Ω(オメガ)タイプの中にも「動けない人」は存在する。

こういう人は親が目標達成型である人が多く、「よく考えて行動しなさい」と言われ続けてきた結果といえる。

 

 

とかく親という生き物は自分の価値観を子どもに押し付けがちである。

目標達成型の親は子どもに目標達成型の価値観を押し付け、積み上げ行動型の親は子どもに積み上げ行動型の価値観を押し付けるわけだ。

 

 

過干渉の親が子どものその子らしさを奪っていく原因のひとつは、自分とは異なるタイプに自分の価値観を押し付けることである。

 

 

我が家の長男が優秀なのは、僕や妻の子育てにおいて、何かをしたからではない。

できるだけ何もしなかったからである。

だって、彼はβ(ベータ)タイプの人間だから。

 

 

 

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くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。