学校の先生を辞める前に考えること、辞めた後に考えること
ここ最近、学校の先生や元学校の先生たちとビジネスの話とか、これからの生き方の話とかをする機会が多いです。
僕が学校の先生を辞めたときって「学校の先生を辞める」ってのが珍しい時代でした。
なので、「元中学校の先生」と言いますと、何かと珍しがられ、重宝されたものでした。
あれから数年経って、知り合いの先生たちがどんどん退職し始めました。
僕も原因の一端を担っているのかもしれませんが、なんとなく「学校の先生を辞めても何とかなる」というファンタジーを生み出してしまった気がするのです。
いや、マジでそれはファンタジーで、実際は「ビジネスをする」って甘くはないんです。
「仕事を辞める」「独立する」といったハードルがずいぶん低くなりましたね。
ただ、離職のハードルが下がっただけで、ビジネスとしてきちんと生計を成り立たせるレベルにスケールさせるハードルは今も昔も変わりません。
離職しやすい世の中になったけれど、ビジネスの世界がイージーになったわけじゃないんですね。
だから、これからは「独立したけど稼げません」という元教員が量産されていかないか心配しております。
その流れを感じるのが、学校の先生たちが仕事を辞めるとコーチングを始めてしまうことです。
僕の周りでは「◯◯さんの鑑定を受けた」とか「◯◯さんに占ってもらった」とか「◯◯さんのカウンセリングを受けた」とか「◯◯さんの講座を受講した」とか、よく聞きます。
けれど、「◯◯さんからコーチングを受けてます」という人に出会ったことがないんです。
つまりね、コーチをやりたい人や学びたい人はいるけれど、コーチングを受けたい人は少ないのではないかという仮説を立てています。
この分野は需要と供給のバランスが著しくズレている気がしてならないのです。
そもそも日本人って、性格的に「コーチング受けて自己実現だ!」ってのよりも「カウンセリング受けてメンタルケアを…」ってニーズの方が多そうだし。
参入障壁が低いし、教師としての経験を生かせそうでしょ?
…って考える退職教員が多い以上、そのフィールドは供給する側で溢れてしまうのは、想像に難しくないでしょ?
こういう、ビジネスに対する目利きができない以上、起業しても食べていけないから「講師として現場復帰」とか「こっそりバイトもやってます」みたいな人がどんどん増えていくわけです。
僕なんかはもう、ずーっとビジネスしてきましたから、ビジネスに対する目が肥えています。
特に僕は「仕組み」が大好きな人間なので、ビジネスを見るときはまずどんな仕組みかを分析することから始めます。
市場がどうで、どんな形でマーケティングができそうで、利益の仕組みはどうで、みたいな。
そういう視点でいくと、「コーチングで起業」って、僕の中では眼中にない商品だったりするんですね。
コーチングがダメって言ってるわけじゃないです。
今からそれをやって、教員時代並みに稼げる日が来るのはいつだろう?というお話です。
日本人の特性とか、現状の市場はどうか、とかを考えると、これをビジネスとしてやっていくのは厳しくないか、と思っちゃうわけです。
もちろん、スケールできる人もいるだろうけどね。
そういう人間は限られた才能を発揮してると思われます。
いやホント、学校の先生を辞めるなら辞めるための準備をしっかりしておきましょう。
働きながら準備するのよ。
働きながらじゃ準備できないから、仕事を辞めたらがんばります!みたいな人、よく見かけるけど。
正直言って、学校の先生の仕事をこなしながら起業準備できるぐらいのスペックがないと、起業してから辛いぜ。
んで、その能力がないなら、チームでやるビジネスにしないと無理があるよ。
今、僕はそういうチーム戦のビジネスもプロデュースしてるけど、ビジネスのフィールドで1人で戦う能力がないのなら、チームで戦うしかねーべ!って思うのよ。
仕事、辞めない方がいいよ。
で、どうしても辞めたいなら、しっかり準備してな。