魂の声に耳を傾け、自分自身とつながる

教師のストレス

あなたが負担に感じていることは何ですか?

あるセラピストさんから言われたことがあります。

 

「あなたはこれまでずっと生徒指導の先生でした。

ずっと怖い先生でなければなりませんでした。

そういう先生であり続けようとしていました。

 

ですが、本当はそういう自分が嫌で嫌で仕方がなかった

 

本当は、校則なんてどうでもいい。

くだらないルールばかりだ、って思っている。

 

それなのに、仕事だから、生徒指導の先生だから、と自分を律していました

本当はそんなことで叱りたくないのに、立場を重んじて叱っていました。

 

その自分を受け入れないと、つぶれますよ

 

僕の目の前にかかったモヤがす〜っと消えていくようでした。

以来、僕はあまりうるさいことを言わないように心がけました。

それが、自分自身をつぶさないための防衛手段でした。

 

また、別のセラピストさんから、こんなことも言われました。

「非常にセンシティブ。

 人の痛みを自分の痛みとして感じやすい人だよね

 

他人の痛みを人一倍感じながら、「やらなければならないから」という理由で指導に当たっていました。

それは、僕の心にとって大きな負担だったようです。

 

それまで。僕は自分自身を律し、パーフェクトであり続けようとしていました。

周囲の期待、周囲の評価のために心をすり減らしていたのです。

 

今思えば、おかしな話です。

 

心が苦しいのは、あなたが魂の悲鳴だよ

僕は当時、暗黒面が覚醒しまくりのダースベイダーっぷりを発揮していました。

嘘のような話ですが、仕事を終えて、僕がマンションのエレベーターに乗ると、我が家に遊びに来ていた妻の友人が、

「あっ!お父さん、帰ってきたね」

と気づくぐらいだったのです。

アナキン・スカイウオーカーもびっくりです。

 

学校の先生としての人生を健康的に過ごそうと思ったら、むちゃくちゃ鈍感になるのが一番だと思うんです。

子どもの声?無視!

保護者の声?無視!

同僚の声も管理職の声も無視!無視!

ときおり、そんな先生に出会ったりします。

そうやってできたら、楽だろうなって思います。

 

だけど、そういうことができません。

「子どもたちに愛され、保護者に応援される先生」はみんな、そういうことはできません。

 

子どもの声にも、保護者の声にも、ちゃんと耳を傾けてしまう。

そういう生き方しかできないから「ハッピーな先生」なのだと思います。

心に変調をきたし、倒れてしまう先生がいます。

 

決して弱い先生ではありません。

あたたかくて、やさしくて、子どものために一生懸命で。

だからこそ、傷つきやすい。

素敵な先生ほど苦しんでるなって思うんです。

 

自分の気持ちにも寄り添おう

僕らの仕事は非常にストレスフルです。

周囲の痛みを味わいながら、日々暮らしています。

ただ忙しいだけでなく、さまざまな痛みを味わっています。

 

いろんな家庭環境で育った子がいます。

僕らは、そこに寄り添わねばなりません。

現実は、TVドラマや小説よりもシビアです。

 

わずか15年間ですが、語り尽くせないほど様々な事件に出会ってきました。

 

感受性の強い人ほどそこから受け取るストレスは甚大です。

自分の心に蓋をして、がんばってしまいます。

潰れてしまうまで、壊れてしまうまでがんばってしまいます。

でもね、忘れちゃいけないことがあります。

 

それは、僕ら一人ひとりの心はそれほど頑丈にはできていないということです。

 

ですから、自分の魂の声を聞いてあげてください。

自分の感情につながってみるんです。

 

「今、自分が感じている気持ちはなんだろう?」

そんな自問自答で、自分の心とつながってみる。

自己共感

それが、自分を壊してしまわないために必要なことだと思います。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 今、自分が感じている痛みと素直につながってみる。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。