時間を有効に使うための法則

忙しい 教員

『世界一忙しい日本人学校』でマシーンになる。

海外への赴任が決まったとき、当時の教頭先生から言われました。

「ウチは世界一忙しい日本人学校だから」

 

僕は在外教育施設に赴任した年、中学3年生の担任になりました。

「ウチの中3担任は進路書類作成マシーンになる感じかな」

そう学年主任の先生から教えられました。

 

果たして、僕は「進路書類作成作成マシーン」になりました。

実に108通の調査書を作りました。

煩悩の数と一緒です。

 

朝6時に出勤し、深夜2時に退勤しました。

空き時間もすべて書類を書き続けました。

 

このご時世に、ほとんどが手書きの調査書です。

なぜなら、全国津々浦々多岐にわたるため、コンピュータで処理しきれなかったからです。

 

書いても書いても終わりません。

 

鉛筆で下書き、管理職の点検後ペンで清書。

108通のうちにほとんどがそんな作業でした。

しかも、指導要録3年分を丸写しする感じです。

 

「掲示係」とかいらんだろ〜!とか思ったけれど、全部書かなければいけませんでした。

だから、ただひたすら書類を書いてる感じでした。

だんだん、目の焦点は合わなくなるし、手に力が入らなくなるし、何度も何度も「休」を「体」って書いてしまうし…。

 

「やらなければならないこと」に押しつぶされる

そうなってくると、もはや授業の準備などできません。

道徳も学級活動もいいかげんなものでした。

「やらなければならないこと」に追われて、「やりたいこと」が何ひとつできなかった日々。

 

どのくらいいいかげんだったと思いますか?

 

教室に行ってから「今日、何やるの?」って確認しているような感じでした。

結局、学級担任として何もしてあげられなかったという後悔ばかりの1年でした。

 

授業が大切だ!と言っておきながら、実際には教材研究が最も後回しになっているような気がします。

校務分掌に追われ、保護者対応に追われ、本当に大切にすべきことに手が回らない。

そんな悪循環がさらなる問題を引き寄せるという負のスパイラル。

 

学級がうまくいかないのは、そんな負のスパイラルの中にいるからです。

 

『80:20の法則』

『パレートの法則』と呼ばれる有名な法則があります。

「全体の80%は一部の20%が生み出している」という法則です。

「売り上げの80%は、顧客の20%が生み出している」という形で使われているそうです。

 

この法則は、僕らの仕事にもちゃんと当てはまります。

「目の前の子どもたちをハッピーにする」

それが、僕らの志事です。

ところが僕らが優先する仕事は、子どもたちをハッピーにする志事より、「やらなければならないこと」だったりします。

そこから抜け出すために大切なことが『80:20の法則』には隠れているのです。

 

学級がうまくいかないのは、本当に大事な20%をやらないからなのです

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 「やらなければならないこと」に追われている自分に気づく。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。