後悔しない生徒指導をするためのしつもん

生徒指導 方針

結果に後悔しないために問いかけること

生徒指導上の問題が起こったとき、僕は自分に問いかけることがあります。

「僕はどうしたいのだろう?」

 

若い先生にもこう問いかけます。

「先生、こんな事件が起きました」

「そうか…。それであなたはどうしたいの?」

 

なぜ、こんな質問をするのでしょうか。

 

結果を受け止めることができない

以前、大きな事件がありました。

若かった僕は、管理職の言われるままに指導を進めていました。

「こんなことがありました。どうしたらいいですか?」

進捗状況を逐一報告し、指示を仰ぎました。

「本当にこれでいいのだろうか?」

そんな疑問を抱えたまま、指導を進めていきました。

 

ところが、どんどん話は悪い方へ進んでいきます。

やがて、僕は毎日のように家庭訪問をし、毎日正座をさせられ罵られ、やがて心が蝕まれていきました。

本当に死にたいと思いました。

「死んでこの苦しさから逃れられるなら、その方がいい」

そう思ったのです。

 

次に現れた感情。

それは、怒りや憎しみでした。

「指示通りに動いたじゃないか?言われた通りにやったじゃないか?」

管理職も先輩も同期の仲間も真剣に僕のこと、そして抱えている問題のことを考えてくださっていました。

今でも良き仲間です。

 

でも、そのとき感じたのは、怒りや憎しみでした。

起こった結果を受け止めることができませんでした。

 

決断し覚悟を決めたから、結果を受け止められる

今思えば、どんなやり方をしても、同じ結果が待っていたのだろうと思います。

いろんな経験をしてきた今の僕でも、同じ結果が待っていたのだろうと思います。

 

それなのに、なぜ結果を受け止めることができなかったのでしょうか。

仲間への怒りや憎しみを感じたのでしょうか。

 

それは、自分で考えることをしなかったからです。

もっと言えば、自分の指導に責任をもつという覚悟を決めていなかったからです。

他人任せにし、指示通りに動いていたからです。

 

「どうしたらいいですか?」

こんな質問ばかりしていました。

 

本当に大切なことは、「自分はこうしたいと思うんですけど、どうですか?」なのです。

やり方は人それぞれです。

そして、学校で起こる事件の中には、どのやり方でも不正解という難問は数多くあります。

 

そんなときも自分で決めた決断ならば、結果を受け止めることが可能です。

 

だから、こう問いかけるのです。

「僕はどうしたいのだろう?」

 

自分で決断したからこそ、結果を受け止めることができます。

生徒指導なんて、うまくいかないことの連続です。

それを受け止めるためには、ちゃんと自分の魂と向き合うことが大事なんですね。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 問題に直面したら「僕はどうしたいのだろう?」と心に問いを立ててみる。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。