通知表を見て、イラっとしたあなたへ

通知表の見方

できないところにフォーカスしてしまう

おもしろいもので、人間って「できないところ」にフォーカスしてしまいます。

無意識のうちに「できないところ」に目が向きます。

そのことを知っておくだけで、子どもとの関係は整います。

 

 

昨日は終業式。

子どもたちが通知表を持って帰ってきました。

「お父さん、見て〜」

と僕に手渡します。

 

 

小学校の通知表ですから、◎◯△で評価されています。

パッと見た瞬間、何を見るか。

「どこが◎かな?」

の前に

「どこが◯かな?」

に意識が向いていることに気づきます。

 

 

「どこができているか」よりも「どこができていないか」にフォーカスしてしまう。

人間にはそういうところがあります。

無意識のうちに。

 

教えることは愛ではないよ

「できていないところ」にフォーカスしてしまう。

すると、ついつい「ここをもう少しがんばれ」みたいなアドバイスをしてしまいがちです。

でもね、教えることは愛ではないの。

 

 

子どもたちが「お父さん、見て〜」と言ってもってきたときの気持ち。

僕はしっかり受け止めなきゃなって思います。

それは、決して「できないところ」に目を向けてほしくて、持ってきたんじゃないんだよね。

 

 

「よくがんばってるね」って、受け止めてみる。

意識して「できてるところ」にフォーカスしてみる。

そこに書かれている◎◯△や54321なんて数字はね、この子のある一部分を評価したに過ぎないの。

 

この子の輝きにフォーカスしよう

それよりもね、今学期で成長した部分にフォーカスしてあげてほしいな。

係りの仕事、身体の記録、担任の先生の所見。

お勉強の評価以外にもいっぱいこの子の記録があるの。

そんな記録から、この子の輝いているところにフォーカスしていただけたらいいなって思うんです。

 

 

「通知表」はね、叱ってもらうために配ってるわけじゃないの。

これは、ただの記録なんです。

 

 

子どもたち、みんながんばってる。

がんばり方は人それぞれだから。

大人が思ってるようなペースではないかもしれません。

 

 

でもね、みんな違ってみんないい。

この子には、この子のペースがある。

叱ったって変わらないよ。

だって、その子のペースなんだもん。

 

 

昨日蒔いた種が、今日すぐに咲くなんてことはなくてね。

その子その子のペースで花を咲かせるの。

叱っても、怒鳴っても、花は咲かないんだよ。

 

 

大切なことは「いいね」で受け止めること。

「がんばってるね」って受け止めること。

 

 

もう一度書いておこう。

「教えること」は愛ではないから。

「ここをもっとがんばれ」

「ここがダメだな」

そんな言葉はいらない。

 

 

通知表には表れない我が子の輝き。

一番知っているのが、お母さんでしょう?

 

 

ハッピーな子どもを育てる大人になるためのしつもん

この子が成長したことは何ですか?

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。