「挙手する」をやめてみる。

しつもん 学級経営

 

「はい、わかる人?」

 
 
そんなふうに尋ねて挙手させる。
よく見かける教室の風景です。
 
 
 
 
でもね、手を挙げるのって勇気がいりませんか?
 
 
 
大人になってもそうだなぁ。
セミナーとか行って、講師に当てられそうになると目を背けてしまいます。
 
 
 
 
 
「なにか質問はありますか?」
 
そう尋ねられて、パッと手を挙げられる人っ少ない。
 
 
 
「間違ってたらどうしよう?」
「的はずれだったらどうしよう?」
 
 
 
そんな恐れ、恥ずかしさ。
ありますよね?
 
 
 
 
だから、僕は「挙手して当てる」という方法をやめました。
もうやめて、10年ぐらいになるでしょうか。
挙手できる子ってね、同じような顔ぶれなんだもん。
 
 
 
そのかわりにしたこと。
 
 
 
それは「書き出す」ということ。
 
 
 
手を挙げて口頭で伝えるのってなかなか難しい。
 
 
 
 
書き出して読み上げる。
書き出して、全員が読める場所(黒板や模造紙)に書き写す。
ノートを見せ合う。
 
 
これ、使えますよ。
 
 
 
文字にすると、発言者と発言を切り離すことができます。
 
 
 
 
グループワークなんかでも、模造紙に意見を書き出すんですね。
すると、発言者と発言が切り離されます。
 
 
感情的な好き嫌いではなく、意見を率直に受け止め、建設的なグループワークになっていきます。
 
 
書き出すと、学びの場が「否定されない」という安心安全な場になります。
 
 
僕が教室で一番心がけていること。
それは「場づくり」です。
 
 
 
安心安全な場ができれば、教える必要などなくなります。
逆に言えば、「教えない技術」の土台は、安心安全な場なのです。
 
 
そういう土壌がないとどうなるか。
 
 
「学び合い」が「教え合い」に変わります。
つまりは、教室にリトルティーチャーが生まれる。
そこに、「できる者」と「そうでない者」という序列が生まれる。
 
 
 
そんな教室では、すべての子どもたちが輝くことはできません。
 
「だれもが主人公」
 
16年間変わらない、僕の学級経営のキーワードです。
 
 
 
すべての子どもが輝くために何ができるのか。
それを考えるのが、学校の先生の「志事」です。
 
大切なのは、教室に流れる空気感なのですね。
 
 
 

ハッピーな先生になるためのしつもん

教室の空気を整えるために、どんなことを取り入れますか?
 
 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。