「愛のムチ」の時代は終わった

愛の鞭 子育て 虐待

ある女の子に出会いました。

その子はクラス合唱の伴奏者でした。

 

難しい曲だったんですね。

でもでも、本当によく練習してきました。

 

本番まで1ヵ月。

途中間違えることはあるけれど、僕の経験で言えば、本番までには心配なく演奏できるペースです。

 

「いいね〜」

「大丈夫!大丈夫!」

 

そんな声をかけていたんですね。

でも、彼女は浮かぬ顔。

 

「私は下手です」

「こんな演奏じゃダメです」

 

そんなことばかり口にするんです。

 

それである日、涙ながらに言うのです。

彼女はピアノ教室に通っていました。

それでね、ピアノの先生からこんな言葉ばかりをかけられる。

 

「なんでこんなことも弾けないの?」

「下手くそ」

「練習してきたの?」

 

もうね、彼女は心が折れてしまった。

 

でもね、わかるの。

そのピアノの先生だって、そうやって育てられてきたんだよね。

 

スポーツの世界でも音楽の世界でもあるの。

いや、大人が子どもたちに関わるとき、そんな経験をしてきているんですよね。

 

「愛のムチ」

 

それ、もうね、負の連鎖だなって思う。

 

児童虐待の現場に関わることがある。

その親もまた、同じような子育てをされていたりする。

 

 

子どもとの関係性について、僕らはもっと真剣に向き合なきゃいけないなって思います。

 

「愛のムチ」

 

そんなものはもういらない世界が始まっているんだよ。

 

罵れば弾けるようになるのでしょうか?

厳しく指導すれば上手くなるのでしょうか?

 

そのムチは、自己満足のムチなのです。

 

子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉

握ったムチを手放して、この子の手をそっと握ろう。

 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。