子どもがユーチューバーになりたい!と言ったら
大阪府内のある小学校。
4年生男子を対象に調査した「将来の夢ランキング」が話題になったことがあります。
それによると、1位「サッカー選手」、2位「医者」、3位「ユーチューバー」。
でもさ、ある小学校の4年生男子って…。
どのくらいの規模の学校なのだろう?
2〜3学級ぐらいの規模だったら、10人ぐらいでも3位になるのでは??
まあ、そんなことはどうでもよいのだけれど。
大切なことはここからで。
まっとうな大人は、それに戦々恐々としているそうなんです。
「けしからん!」と思っているみたいです。
それにね、どうやらユーチューバーは「楽して稼いでいる」と思っているようなのね。
子どもをYOUTUBEに出して、稼ぐ親がいるなんてけしからん!
そんな声もあるみたい。
まあ、それは子どもの問題ではないのだけれど…。
子どもは「楽だから」なんていう理由で選んでるわけじゃないと思うけど。
彼ら(ユーチューバー)が楽しそうに仕事をしている。
そういうところじゃないかな?とも思う。
そもそも、楽じゃないと思うよ…。
自分でコンテンツを作って、自分を露出して、PV数を稼ぐ。
これは、本当に大変なこと。
毎日グーグルアナリティクスで、数値を計測してるからよくわかる。
記事を読んでもらうってのは、とても大変なこと。
オフラインの世界は、オンラインの世界よりも勉強が必要。
感性よりも勉強量。
日々設定が変わるから、トライ&エラーの繰り返し。
で、そういうことって、実はデジタルネイティブの子どもたちの方が体感的に理解していたりする。
キングコングの西野亮廣さんの『魔法のコンパス〜道なき道の歩き方』(主婦と生活社)。
西野さんは、冒頭から「なぜ芸人なのにひな壇に上がらないんだ」という声と戦ってきたことを述べている。
西野さんはブレない。
ひな壇には立たないし、グルメ番組は出ない。
でも、舞台には立つし、絵本を描く。
イベントもやる。
目の前のお客さんを楽しませる。
心から楽しませる。
ただ、それだけ。
その「在り方」そのものが芸人であって、これは職業ではない。
生き様。
意味的には「ロック」と同じ。
ロックンロールを演奏しているから「ロック」なのではなく、「在り方」そのものがロックなの。
「芸人」は職業ではなく生き方、在り方。
僕はそんな西野さんをリスペクトしている。
僕が胸を張って「教育者」を名乗るのは、そういうこと。
今は職業として学校の先生をしているけれど、これはあくまでも職業なんです。
この感覚、伝わるでしょうか。
でね、たぶん西野さんを叩く人もそうだし。
最近だとピースの綾部さんが渡米する話を叩く人もそう。
自分の中にある「こうでなければならない」から逸脱する人を見ると、引きずり戻そうとする空気感がある。
「それ、おかしくない?」
そう集団が感じたら徹底的に叩く。
この空気感って怖い。
子どもが「ユーチューバーになりたい!」なんて言い出すと、それは「けしからん!」となってしまう。
これも近い感覚だと思うの。
たぶん一度くらい「起業」を夢見た人もいるんじゃない?
「起業したい」
そんなことを言うと、まず十中八九こんなアドバイスをいただく。
「そんなの無理!」
事業プランもスケジュールも資金面も協力者もぜ〜んぶ伝えても。
「そんなの無理!」
もはやプランの問題じゃないんだろうね。
これはもう、感情の問題。
「イヤなんだ!」
非常にシンプルな答えなのです。
でね、これって、怖いことだなって思う。
子どもだったらなおのこと。
最近はね、夢を語れない子どもが増えてきたらしい。
なぜ語れないのだろう。
そんなの、答えは簡単です。
夢を聴いてくれる大人が少ないから。
「いいね!その夢、応援するよ!」
「どうやったら叶うか、一緒に考えようよ!」
そうやって言ってくれる大人が少ないから。
そういう大人も、今を生きることに精一杯で、「夢を描く余裕」すらないんだと思うけど。
大切なことはね、大人の理想を押し付けるのではなく。
子どもたちの内側から生まれた答えを応援すること。
叶うか、叶わないかは別に問題じゃないの。
大切なことは、何度でも夢を描き、何度でも立ち上がる勇気を育てることじゃないかな?
僕はそう思います。
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
「そんなの無理」より「それ、いいね」が子どもを輝かせる。