第1志望でも第3志望でも、お前はお前だろ?

Aという高校とBという高校がある。
Aの方が偏差値が高いとする。
Aの方が有名だったりする。
そんな場合、大人は十中八九、Aの方をおすすめする。
でも、僕はB高校をおすすめする。
だから、文句を言われることがある。
はいはい。
「せっかく学習塾にいれたのに」
「先生のせいで努力しなくなった」
はいはい。
(少しでも偏差値の高い高校に行かせたい)
そんな気持ち、わからなくもない。
でもね、って思う。
この子はこの子。
どこの学校に行っても、この子はこの子。
大切な事実があります。
偏差値が低くなればなるほど、その子はその学校の中での序列が上がるという事実です。
その子の学力は、どこの学校に行っても変わりません。
ただ、偏差値の高い学校に行けば、成績下位の生徒になりますし、偏差値の低い学校に行けば、成績上位の生徒になります。
これは、それほど難しい話ではありません。
それはつまり、どういうことか。
Jリーグで降格争いをしているチーム。
Jリーグで優勝争いをしているチーム。
どちらのチームに所属する方がモチベーションが上がるか。
どちらのチームでサッカーをする方が楽しいか。
そういう話なのです。
想像することは容易いですよね。
偏差値ギリギリで入学する。
それはつまり、降格争いをするチームに入るということ。
3年間、下位に低迷することになる。
偏差値に余裕をもって入学する。
それはつまり、優勝争いをするチームに入るということ。
3年間、モチベーションを高く保って生活できる可能性が高い。
がんばったら最下位を脱出することができる。
がんばったら学年1位になれる。
いったいどちらがモチーベーションを高めて勉強できるか、という話なのです。
そんなわけで、偏差値が高い学校にギリギリの成績で入ることはやめた方がよいと指導します。
僕の話を信じた子供は、余裕をもった高校を目指します。
だから、受験前に追い込まれた表情は見せない。
そんな姿を見て、モヤモヤする親もいます。
「がんばっているように見えない」
「もっと勉強するように言ってください」
なるほどなって思う。
ようは安心したいのだ。
僕は、がんばっていない子はいないと信じています。
それぞれがそれぞれのペースでがんばっている。
「それでいいじゃないか」
そう思っているの。
滑り止めの学校に行ったがゆえに、学年トップの成績になってしまい、指定校推薦で有名大学に悠々と進学することになってしまった子供たちをたくさん見てきました。
一方で、努力の甲斐あり、また運にも恵まれ、偏差値の高い高い学校に入学し、学校の授業についていけず、退学を余儀なくされた子供たちもたくさん見てきた。
そんな姿を見るたび、僕は自分の仕事を恥じてきました。
(もっとちゃんと進路指導をしてあげられたんじゃないか)
そんな後悔の念にかられました。
これから本格的な受験シーズンが始まります。
「人生万事塞翁が馬」という言葉がありますね。
何がよくて、何が悪いかなんてことは、その時点ではわかりません。
受験生の皆さん。
受かった学校が、ご縁のあった学校です。
第1志望だろうが、第3志望だろうが、あなたはあなた。
学校名であなたの人生など決まりません。
今ある場所で咲けばいい。
その命を輝かせるだけ。
できることを精一杯やるだけ。
結果は別の問題ですから。
ハッピーな先生の夢を叶える教室
受かった場所で咲くだけです。
