ねえ、子供とつながってる?
「先生、僕は大丈夫でしょうか?」
青ざめた顔で尋ねてくる少年。
どうやら受験当日、テストが思いの外できなかったようだ。
僕は予言者でも占い師でもない。
だから、こんなことしか言えない。
「大丈夫じゃねーの?」
根拠なんて、ない。
いいかげんな言葉に聞こえるかもしれない。
でも、そんな言葉で彼は晴れやかな顔になった。
そんなことの繰り返しだ。
何かをするとき、自信満々の子なんていない。
大なり小なり不安を抱えているものだ。
身体は大人サイズだけれど、心はまだまだ子供サイズだから。
思春期の子供たちは、時に道に迷う。
どれだけ励まされても説き伏せられても、不安は拭えやしない。
そういうものだ。
人間は論理で理解し、感情で行動する生き物らしい。
とはいえ、子どもたちはもっと直感的だ。
ストレートでシンプルだ。
信頼できる大人の一言でいいのだ。
「大丈夫!」
その一言で、彼ら彼女らは強くなれる。
そんなことの繰り返しだった。
ってことは、つまりだ。
信頼できる大人になれるかが実はポイントだったりする。
その信頼こそがつながり。
じゃあ、その信頼ってのはどこから生まれるのだろう?
年齢を重ねれば信頼されるのか。
経験が豊富なら信頼ってのはされるのか。
たぶん、それは違う。
いつも信念で行動しているか。
本音で語っているか。
そこを子どもたちは見抜くのだ。
なぜなら、子どもたちは直感的だからだ。
ストレートでシンプルだからだ。
僕はその子を見て思ったんだ。
「大丈夫じゃねーの?」って。
精一杯やってる姿を知ってるから。
信じるってすごいパワーだよ、
子どもとつながる問いかけの魔法
偽らざる言葉が子どもとつながる。