ねえ、子供とつながってる?

思春期 反抗期

 

「先生、僕は大丈夫でしょうか?」

 

青ざめた顔で尋ねてくる少年。

どうやら受験当日、テストが思いの外できなかったようだ。

 

 

僕は予言者でも占い師でもない。

だから、こんなことしか言えない。

 

 

「大丈夫じゃねーの?」

 

 

根拠なんて、ない。

いいかげんな言葉に聞こえるかもしれない。

 

 

でも、そんな言葉で彼は晴れやかな顔になった。

そんなことの繰り返しだ。

 

 

何かをするとき、自信満々の子なんていない。

大なり小なり不安を抱えているものだ。

身体は大人サイズだけれど、心はまだまだ子供サイズだから。

思春期の子供たちは、時に道に迷う。

 

どれだけ励まされても説き伏せられても、不安は拭えやしない。

そういうものだ。

 

 

人間は論理で理解し、感情で行動する生き物らしい。

 

 

とはいえ、子どもたちはもっと直感的だ。

ストレートでシンプルだ。

 

信頼できる大人の一言でいいのだ。

 

「大丈夫!」

 

その一言で、彼ら彼女らは強くなれる。

そんなことの繰り返しだった。

 

 

ってことは、つまりだ。

信頼できる大人になれるかが実はポイントだったりする。

その信頼こそがつながり

 

 

じゃあ、その信頼ってのはどこから生まれるのだろう?

年齢を重ねれば信頼されるのか。

経験が豊富なら信頼ってのはされるのか。

たぶん、それは違う。

 

 

いつも信念で行動しているか。

本音で語っているか。

そこを子どもたちは見抜くのだ。

 

なぜなら、子どもたちは直感的だからだ。

ストレートでシンプルだからだ。

 

 

僕はその子を見て思ったんだ。

「大丈夫じゃねーの?」って。

精一杯やってる姿を知ってるから。

信じるってすごいパワーだよ、

 

子どもとつながる問いかけの魔法

偽らざる言葉が子どもとつながる。

 
くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。