これまでの教育。これからの教育。

講演会の原稿

「これまでの時代」の常識が枠を狭めている。

年功序列は、すでに崩壊しています。

右肩上がりで経済が成長していく時代は終わりました。

不況なのではなく、そのターンはもう終わったと理解した方が良いでしょう。

 

 

少なくとも、歪な人口ピラミッドを構成し、超高齢化社会に向かう日本は、確実に次のターンに突入しているわけです。

 

 

これまでの時代。

勉強して、いい高校に行って、いい大学に行って、いい会社に入れば、人生は安泰でした。

それが人生の成功モデルでした。

 

 

大企業は潰れませんし、給料は右肩上がりでした。

ボーナス退職金もきちんと支払われました。

60歳になれば年金がいただけたわけです。

 

 

そういう時代の「成功モデル」が、果たして今の時代に合うでしょうか。

 

 

「ゆとり世代」を叩く世代

そもそも「ゆとり世代」を叩く世代って、時代に乗り遅れた世代だと思うんです。

「これからの時代」の常識で生きている「ゆとり世代」は、「これまでの時代」の常識で生きている人から見ると、なんとも許しがたい存在なわけです。

 

 

いいですか?

「これまでの人たち」は、がんばることが当たり前の世代。

石の上にも3年。

辛くとも我慢。

それこそが美徳。

 

 

ところが、「これからの人たち」は、「イヤだな」と思ったらサクっと辞めていく。

「好きを仕事にする」なんて言っている。

「嫌なら辞めてもいいんだよ」って感じ。

「これまでの時代」の人々は、「ふざけるなよ!」と思うわけ。

 

 

「これまでの人たち」の価値観と、「これからの人たち」の価値観は違うのです。

 

 

組織から個人へシフト

で、そうなってくると、「組織」で何かをすることはなかなか難しくなってきます。

 

この流れに乗っかるように、クラウドソーシングというシステムが生まれました。

SNSやメッセージアプリを用いて、プロジェクトごとにメンバーを集めて仕事をすることが可能になりました。

 


また、資金調達についても、クラウドファンディングなんて方法も、一般的になりつつあります。

 

 

ビジネスという視点で考えても、すでに「新しいターン」は始まっているのです。

組織で何かをする時代から、個人がつながって何かをする時代。

 

 

すでに「ビジネスの公式」が変わってきているのです。

 

 

ビットコインなどの仮想通貨。

別名、暗号通貨と呼ばれています。

なぜ暗号なのか。

何のために存在しているのか。

それを勉強すると、世界全体が次の「ターン」に進んでいることがより理解できます。

 

 

組織から個へ。

この流れは確実に進んできているのです。

 

これからの教育とは

 

 

「個人のできること」が拡大している。

人脈について考えてみましょう。

これまでは経験から人脈が生まれていました。

社長には社長の人脈があり、社員には社員の人脈がありました。

 

 

ところが今は、SNSの普及で一気にいろんなものを飛び越えて、人と人がつながる時代になりました。

SNSでフォローすれば有名な経営者の考え方や行動に日々触れることもできます。

チャンスがあれば、すべての垣根を飛び越えて、つながることも可能です。

 

 

「これまでの時代」にはなかった流れです。

 

 

何か新しいことを始めるにしても、最近はたった一人でスタートアップできることが増えました。

 

動画配信も、音楽配信も、自宅で可能です。

フェイスブックのライブ配信を使えば、だれでも生放送ができます。

 

SkypeやZoomを用いれば、世界中の人とオンライン上で会議ができます。

執筆活動にしても、電子書籍やブログで行えます。

 

 

「これまでの時代」では考えられないほど、個人にできることが増えています。

もはや、自由自在です。

 

 

あとは、どうコンテンツを作っていくか。

そういうものは、若い感性には勝てませんね。

 

 

時代遅れの人たちが感じている恐怖

つまり、「これまでの時代」を生きてきた人から見ると、「これからの時代」は恐ろしい時代なのです。

なぜならば、これまでの常識通用しないからです。

 

 

「先生、因数分解覚えて、何になるの?」

「高校行かなくても、高卒認定受けて大学行っちゃえばよくない?」

とか言われたら、困るわけです。

 

 

20代からバリバリの経営者が生まれて、40代50代の人が使われる側に回る。

年功序列常識としていた人たちから見たら、それはおもしろいことではないでしょう。

 

 

「ゆとり世代」なんて言葉自体が死語なんです。

彼らの方が時代の流れが読めている。

そういう見方もできるわけです。

 

 

私たちは、得体の知れないものに対して恐怖を感じます。

「こうでなければならない」という枠が存在し、その外にあるものは理解しがたいものなのです。

 

 

「これまで」の常識の枠の中で生きている人が漠然と感じている恐怖の正体がおわかりになったでしょうか。

 

 

これまでの教育とは

「これまでの時代」「これからの時代」は、明らかに違います。

 

明らかに、「個人でできること」が増えたのです。

そして、今後もこの「個人でできること」は、増えていくはずです。

 

 

では、そのような新しい時代に必要な教育とは、どんなものでしょうか。

それは、「好きなことを思いっきり学ぶ」という経験です。

 

 

もはや知識蓄積する時代は終わりました。

知識量ではgoogle経由で情報を供給できるコンピュータには敵いません。

 

 

言ってみれば、一昔前の「お勉強ができる」ってのは、「これからの時代」の「お勉強ができる」ってのとは、違うわけです。

 

 

 

「これまでの時代」は、欠点フォーカスしてきました。

「できないこと」「できるようにすること」が大切でした。

 

 

子どもたちを評価し、「ここがダメだ」と伝え、もっとがんばれと促す。

それがこれまでの教育でした。

 

 

そうやって平均的な子どもたちを育ててきました。

優れた従業員を育てる製造工場として、学校は十分に機能してきました。

 

 

「これまでの時代」は「組織」の時代でした。

高度経済成長。

組織の時代には、優れた従業員がたくさん必要です。

 

 

朝早くから夜遅くまで文句も言わず献身的に働ける人材が必要でした。

そういった人たちの人生を保障するだけの力が企業にもありました。

 

 

これまでの時代には、これまでの教育がありました。

それは、時代の流れに合っていました。

 

これからの教育とは

 

 

これからの教育とは

今は、どうでしょうか。

すでに、「副業」もしくは「複業」の動きが始まっています。

そう。

すでに時代は次のターンへ確実に向かっているのです。

 

 

「学校の先生」の世界は、とても狭いです。

人脈が「学校の先生」しかいない人があまりにも多すぎます。

「先生の常識は、世間の非常識」などと言われても仕方がないのです。

 

 

見えてる世界が狭いのですから、それはもう仕方がないこと。

先生が悪いわけではありません。

昔から脈々と培われてきた独特の文化なのです。

 

 

僕などは異端の教員でしたから、異議を唱える。

すると、「この人は何を言ってるんだ?」という目で見られるわけです。

出る杭は打たれます。

出すぎた杭は打たれないわけですが。

子どもたちの常識を書き換えるため、たくさんのゲストティーチャーを招いて、「これからの時代」を生きる力を育んできました。

 

 

それで、これからの時代は「好きなことを思いっきり学ぶこと」が大切なのです。

圧倒的に学ぶのですね。

 

 

ただし、これは知識を蓄積するために学ぶのではありません。

学び方を学ぶのです。

学ぶ喜び味わうのです。

 

「わからない」が「わかった」に変わる瞬間に何度も立ち会うのです。

 

 

現代社会は、進化のスピードが、どんどん上がっています。

「これからの時代」は、学び続けなければならない時代なのです。

 

 

昨日学んだことが、明日には古いことに変わってしまう時代なのです。

このスピードに対応するためには、自ら学ぶ力が必要なのです。

 

 

何を学ぶべきか、自分で学びの対象を決める

どう学ぶのか、学び方を自分で見つける

そして、迅速に行動する

 

 

いかにして能動的に学んでいけるか。

学び続けていけるか。

それが、これからの時代の「生きる力」なのです。

 

 

新しい時代に求められる先生像とは

「受験勉強のし過ぎで、勉強が嫌いになった」なんて方はいませんか?

 

新聞はおろか、本すら読まない。

そんな大人は多くいます。

読書家を自称しながら、エンターテーメント小説ばかりを読んでいる。

それでは、ビジネスパーソンとしての成長は望めません。

 

 

欠点を見つけて、評価する。

そういうやり方を通して、勉強嫌いな子を育ててはいないでしょうか。

 

 

「学ぶことが楽しい!」

 

そう言える子どもたちを育てているでしょうか。

これこそが、教育者の仕事だと思うのです。

 

 

「これまでの教育」はルールを作り、管理することに力を入れてきました。

管理された枠の中で、最大限に自分の力を発揮する。

組織貢献する。

 

 

これは、何も間違っていないのです。

「組織」の時代だったのですから。

 

従業員として、規律を守り、その枠の中で最大限に力を発揮できる人材を育てればよかった。

そうです。

「昭和の教育」は、何も間違ってはいないのです。

 

 

 

でも、「これからの教育」は違います。

 

「組織」から「個人」へ。

すでに、そのシフトは始まっています。

したがって、教育も「新しい教育」にシフトしなければならないのです。

 

 

昔、ある研究会に参加したとき、校長先生がこんなことをおっしゃいました。

 

「アクティブラーニングなんかやらなくたっていいんだよ。子どもなんて、もっと教え込めばいいんだよ」

 

 

クソ校長と思いました。

もう二度とこんなくだらない国語研究会には参加しないと心に決めた瞬間でした。

 

 

 

でも、日々、僕のもとには

「少しでも学校をよくしたい!」

「本当の意味で子どもたちのためになる教育がしたい!」

そんな素敵な先生たちからのメッセージも届くわけです。

 

 

まだまだ、学校も捨てたモンじゃないぜ!とも思うわけです。

 

これからの教育とは

 

 

もっと創造的に。もっと想像力を発揮して。

教育未来創造する志事です。

過去の実践を踏襲する仕事ではありません。

 

 

これまでの常識で、教育をしていてはいけません。

「これからの時代」を、想像力を働かせて考えねばなりません。

 

 

「どんな未来が来るのか?」

そんな想像力が、教育者には必要です。

 

 

想像創造

本来、教育とはクリエイティブな仕事であったはずです。

 

 

いつからですか?

前例主義になったのは。

 

 

これからの時代を生きる子どもたちに、これからの時代必要な力を育むのです。

新たなコンテンツを探るクリエイティビティを教育者こそがもつべきなのです。

 

 

教育者自身が圧倒的に学ぶ。

生き生きと学ぶ。

その姿から、子どもたちはさらに学んでいく。

 

 

教育者とは、自らを教育できる者なのです。

 

これからの教育とは

 

子どもに届けたいこと

「ワクワクしながら生きるコツ」があります。

 

 

それは、今あなたの中にあるものに目を向けることです。

人はついつい、外側ばかりに目を向けてしまいます。

足りないもの、劣っているものにフォーカスしやすいのです。

 

「あれが足りない」

「これが足りない」

 

それから、ついつい他人と比べてしまいますね。

 

「あの子の方がすごい」

「この子の方がすごい」

 

 

でもね、目を向けるのは自分自身です。

今あるものに目を向けてみましょう。

 

 

そして、それを精一杯伸ばしていきましょう。

ストロングポイントを伸ばす。

これが大切です。

 

 

だれかと比べる必要なんてありません。

 

 

圧倒的学ぶのです。

圧倒的本を読むのです。

圧倒的人に会うのです。

 

 

自分で「やりきった!」と胸を張って叫べるぐらい圧倒的に学びましょう。

そうやって、自分が既にもっているものを伸ばした経験こそが、何よりの財産なのです。

 

 

「苦手なことを、がんばってやりなさい」

そう言われてワクワクしますか?

しませんよね。

 

 

ウイークポイント克服することは苦しいことです。

ストロングポイント伸ばすことはワクワクすることです。

 

 

だからね、

「大好きなことを、圧倒的にやりなさい」

 

 

周りの人から、「すげ〜な〜!」って言われるくらい圧倒的にやるのです。

その経験が、「新しい時代」では生きていきます。

 

 

変化のスピードの速い世界の中で、いかに自身の興味照準を合わせて、圧倒的に学んでいけるのか。

そういう力こそが、生きる力なのです。

 

今ある常識書き換えることで、確実にあなたの人生はおもしろくなります。

なにも恐れる必要はありません。

 

 

「これからの時代」は確実におもしろい時代なのです。

年齢を重ねなければ楽しめなかった年功序列の時代から、一気にやりたいこと形にできる時代なのです。

 

これほどワクワクする時代はありません。

 

 

ハッピーに生きるためのしつもん

あなたは今の時代にワクワクしていますか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。