放っといたって大人になるのさ。
勉強ができなければならない?
昔、お子さんを東大に行かせたというお母さんに出会った。
彼女が子育て本を出版するというお話を伺った。
「すごいですね」と伝えた後、一つだけ「しつもん」した。
「その本を読んだ人にどうなってもらいたいですか?」
僕は、その「しつもん」をした後で、後悔することになる。
正直、ゾッとした。
「読んだ人?
私のことをすごいお母さんだなって思ってもらいたい。
子どもを東大に行かせたすごいお母さんだなって思ってもらいたいの」
どんな答えも正解。
ジャッジしない。
とは言え、僕の心はゾワゾワした。
そのお母さんから、満たされない思いを感じた。
きっとそれは、本になっても満たされないと思った。
絶対条件ではないのだよ
お勉強の成績は、どうも親の関心事のようだ。
だが、子どもの「勉強ができる、できない」は、子育てと関係がないと思っている。
いや、一因ではあるが、それがすべてではないと思っている。
「収入の多い家庭の子どもは優秀」なんて記事をよく目にする。
だが、忘れてはいけない。
貧しくとも、優秀な子どもはいる。
たとえば、学習塾に入れる。
学習塾に入れなければならない、と考えている親御さんも多い。
だが、学習塾に行かずとも成績の良い子どもはいる。
そもそもだ。
「こんな子育てがいい!」みたいな話は山ほどある。
だが、忘れてはいけないことがある。
それが絶対に必要なわけではない、ということだ。
たとえば、前述のお母さんだ。
その「東大に行ける子育て」を真似て、東大に行けちゃう子もきっといるだろう。
だが、行けない子もきっといる。
そして、そんな子育て法を真似なくても、行ける子もいるだろう。
つまり、何が言いたいかと言うと、「そんなことは一つの結果に過ぎない」ということだ。
大丈夫!みんな大人になるんだから。
ただ、思春期の子どもたちを3000人以上見てきた僕の経験でお話をさせていただくなら、答えは簡単だ。
あんまりこねくり回さない方が良い。
大人の手が入りすぎるのは、よろしくないな〜と思う。
気にはかけるが、信じて手放す。
「困ったら、相談においでよ」ぐらいがちょうど良い。
「先生、こんなことがやってみたいんだけど」
「いいね。やってみなよ」と背中を押してやる。
まあ、そのぐらいでちょうど良い。
必要以上に心配することも、手をかけることもなく。
ほどほどで良いのだ。
子どもをよ〜く見てごらん。
今、この子は何を必要としているだろう?
必要としていることを届けてあげるだけでいい。
それがホントの見守るってことではないだろうか。
心配せずとも、ちゃんと大人になるんだから。
生まれてから30年も経てば、それなりに立派になるし、40年経てばおっさんになる。
そんなもんだと思わない?
子育てに迷ったときに出逢いたい100の言葉
花だって、イジりすぎたら枯れるのだ。