「お母さん先生」のための仕事術
どんな人生を選びますか?
「どうしたら、くればやし先生みたいに生きられますか?」
そんな質問をいただきました。
恥ずかしいです♡
僕は「魔法の質問」を主宰されているマツダミヒロさんの生き方に憧れました。
ライフトラベラー。
時間と場所に縛られない生き方。
そんな生き方がしたいと考えました。
でも、最初は違いました。
ミヒロさんのInstagramやfacebookを見て、モヤモヤしたんです。
僕は毎朝、決まった時間に家を出ます。
いつもの電車に乗ると、いつもと同じ顔ぶれの満員電車。
車窓から見えるのは、いつもと同じ風景。
同じ駅で降り、人並みに飲まれる。
今日も明日も、決められたルーティーンで仕事をこなす。
勤務時間中は、トイレに行くこともままならず。
仕事に追われ、気がつくと、1日が終わっている。
そんな毎日。
僕の毎日は、すべて決められていました。
それが、あと何年も続く。
それが、「普通」だと思っていました。
ところが、ライフトラベラーとして生きるミヒロさんのInstagramやfacebookには、毎日世界のどこかの美しい風景が投稿されています。
僕とは真逆の生活です。
僕がInstagramをやったら、平日は毎日同じ風景しか投稿できません。
スタバの投稿しちゃうしかなくなります♡
「定年になったら、やりたいことをやりたい」
そんな話をする校長先生を見て、悲しい気持ちになりました。
(僕は人生の奴隷だな…)と思いました。
僕は「校長先生」になりたかった
公務員には給料表があります。
人生のマックスの給料は決められています。
「がんばろう」が、「がんばるまい」が、給料は変わりません。
給料だけが、人生のすべてではありませんが、仕事の質と量が給料に反映されないのは、なんだか悲しいものがあります。
公務員は、たしかに安定しています。
でも、「安定」を求めて「学校の先生」になったわけではないのです。
僕は学校をおもしろくしたい。
目の前の子どもたちをハッピーにしたい。
そう思って、学校の先生になりました。
たしかに、僕のクラスの子どもたちを「ハッピー」にすることはできました。
僕のことを信じて、一緒に仕事をしてくれた先生方のクラスも「ハッピー」にすることはできました。
でも、そうではない先生のクラスの子どもたちは苦しんでいました。
それはとても悲しいことでした。
僕は、「いつか校長先生になりたい」と思っていました。
校長先生になれば、「素敵な学校が作れる」と信じてきました。
でも、校長先生の仕事って、(そうではないな…)と感じることが増えました。
学年主任になって仕事をしてみると、尻拭いみたいな仕事が増えます。
自分の落ち度ではないのに、謝罪する場面が増えました。
学校で不祥事が起こるたび、テレビの画面の中で、どこかの校長先生が頭を下げています。
そもそも、いじめの問題なんて、学校全体で取り組んでいれば、それほど大きな問題になんてなるはずないのです。
こうやってニュースになるほど大きな問題になるのは、学校全体で問題が共有できていなかった証しだと考えます。(少なくとも初期の段階では)
校長先生も寝耳に水だったことでしょう。
体罰の問題。
いじめの問題。
結果最後に責任を取るのは校長です。
「校長なんて、所詮、店長だよ…」
そうやって肩を落として話す先生の姿が忘れられません。
僕の人生のマックスは「校長先生」。
本当になりたいの?
本当に?
本当に?
僕は何度も自分に問いかけました。
「残念な先生」のしわよせ
残念な話ですが、抜群に仕事をしない先生がいます。
まともにコミニケーションを取れない先生もいます。
もちろん、そんな人はどんな会社にでもいるでしょう。
ただ、「学校の先生」という仕事が特別なのは、全員が「先生」であることです。
つまり、どれだけ能力が高くとも、どれだけ「変わり者」でも、「先生」として子どもたちの前に立つのです。
そして、法に触れない限りクビになることもありません。
ちょっとヤバいな…という人もいます。
はい、もうそれは残念ながら、います。
ここには書けませんが、いますよ、そりゃ…います。
でも、管理職の先生たちはそういう人間を上手に潰さないようにしながら、学校を運営せねばなりません。
しわ寄せは、「仕事のできる先生」のもとに集中します。
「校務分掌表」という、校内の仕事一覧表があります。
それを見れば一目瞭然です。
あまりにも、バランスが悪いのです。
学校には「年度末反省」というのがあります。
一年間の仕事を総括し、改善点を出す。
正直、機能しているとは言い難いシステムでしたが。
そこに僕は毎年、同じ要望を書いていました。
「仕事の軽重がありすぎます。
仕事量が不公平です」
でも、それが改善されることは16年間、ありませんでした。
これはもう仕方のないこと。
授業しかできない…、いや授業すらまともにできない先生を抱えながら、学校運営をしていく以上、一部の有能な人間で業務を回していく必要があったのです。
「20対80の法則」というのがあります。
通称「ニッパチの法則」。
だいたい「できる人」は全体の2割。
組織というもののはそういうふうにできているようです、
アンバランスな仕事量
そんなわけで、僕は学年主任であり、進路指導主事であり、学級担任でした。
進路関係は書類は大量にあります。
出張だらけです。
毎日のように、高等学校の先生がやってきて、対応に追われます。
学年主任とは名ばかりの「何でも屋さん」です。
学年通信。
学年会計。
総合学習の企画・立案。
全部やります。
「学年分掌=オレ」です。
なんでそんなことになるかと言うと、学年職員が初任者と4年目の先生だからです。
そのぐらいの仕事量になると、若者に仕事を教えてチェックして、という時間すらありません。
自分でやった方が早いのです。
修学旅行の細案も作りました。
業者とのやりとりもしました。
仕事量、普通じゃありません。
また、図書館担当の図書主任で、国語主任。
図書及び国語の主任って、ボディーブローのような仕事が多いのです。
本の選定やら、読書感想文や書写などコンクール関係の応募などが毎日送られてきます。
ついでに言うと、授業は中学2年生と3年生の2学年です。
授業は週7種類考える必要があります。
定期テストも2種類作ります。
しかも、教科は国語。
作成も採点も、時間がかかります。
評価も2学年分。
全部2倍の仕事量になります。
過労死レベルの仕事量だったと思います。
世界一忙しい「学校の先生」
日本の「学校の先生」は、世界一忙しいと言われています。
僕は上海日本人学校に勤めていました。
世界一忙しい日本人学校という噂の「日本人学校」です。
海外勤務だし、ちょっぴりバカンス気分♡
そんな甘い世界ではありませんでした。
一番忙しい時期は、朝6時に出勤し、深夜2時に退勤…。
2時間仮眠を取って出勤。
ひたすら高校受験のための調査書を作り続けました。
その数、108通。
(死んじゃうかも…)と思いました。
ただ、そんな経験もあって、僕は仕事をいかに早く終えるかを身につけました。
帰国後、僕は毎日定時で退勤しました。
17時までは「学校の先生」の時間。
仕事を持ち帰ることは絶対にしません。
帰宅してからは「ライフトラベラー」になるための時間です。
そう考えて、退勤してから深夜2時まで、僕は「これからの人生」のための仕事をしました。
結果、日本人学校と変わらない忙しい日々を過ごしていました。
どうしたら、自由に生きられるのか
さて、最初の質問に、ようやく話が戻ります。
「どうしたら、くればやし先生みたいに生きられますか?」
それはもう、「なりたい自分」をちゃんと描くことです。
そして、そのために何ができるか、を問いかけることです。
そして、17時に退勤し、寝るまでの時間を「これからの人生」のために当てることです。
そんな話をしていたら、妻に言われました。
「そもそも、どうやって17時に帰るの?」
(えっ!そんなの余裕じゃん!)と思いました。
妻が言います。
「父ちゃんのメルマガ読者さんって、お母さん先生が多いでしょ?
お母さん先生が増えるのは、保護者からすると安心なんだよね。
子育てを経験している先生の方が相談しやすいじゃん。
だけど、先生の仕事って忙しすぎるから、子育てとの両立って難しくって、結果お母さん先生が先生を続けられずに退職していくわけじゃない?」
(まぁ…そうっすね)
「じゃあさ、どうやってその仕事量を勤務時間に終えたわけ?
それ、みんな知りたいんじゃないの?」
(そうなのかな…?)
「その多忙な状態でも定時で帰れる仕事術をお母さん先生が知ったら、そのお母さんの家庭の子どももハッピーでしょ?
で、その先生のクラスの子どももハッピーでしょ?
そういうコンテンツ、作りなよ」
お母さん先生が輝く現場に
たしかに、そうなのだ。
日本の先生は忙しすぎる。
だが、そういう中で勤務時間内で仕事を終わらせてさっさと帰宅する先生もいた。
そう!僕だ!
その仕事術があったから、こうして自由を手にいれることができたのだ。
「いい授業をつくろう」とか、「いい学級をつくろう」とか、そんな講座や教育書は山ほどある。
スーパーな先生たちが、スーパーな能力を発揮して作った授業実践の数々は、たしかに魅力的だ。
でも、必ずしもすべての先生が、そういうものを求めているわけではないだろう。
「さっさと帰って人生を楽しもうぜ」なんて講座は世の中にない。
だって、なんか「ヤル気ない感」が漂うもんな。
先生って、滅私奉公を求められる部分があるよね。
清貧を求められるっていうかさ。
だから、現役の先生には、この講座は作れないよね。
さっさと帰って、自分の人生楽しもうぜ講座。
これだな…。
僕がコンテンツかできるもの。
世界一忙しい
「日本の学校の先生」のための仕事術
〜さっさと帰って、人生を楽しもう♪〜
こんなのはどうだろう?
そう、僕が提供できるもの。
学校の先生をやめた僕だからこそ、提供できるコンテンツ。
現役の先生だったら「ふざけるな!」って言われそうだけどね。
辞めたから作れる。
そして、このコンテンツによって教育現場に「お母さん先生」が増えたら、おもしろいんじゃないか。
これまで男性社会だった教育現場。
でも、子どもと関わる力は、女性には敵わないなって思う。
「お母さん先生」が現場で心地よく働けたらいいな。
これは、おもしろいかもしれない。
創造的な人生を生きるためのしつもん
どんな人生を楽しみたいですか?