幸福感の高い子どもの育て方
継続できる子は幸福感も高い
すぐにあきらめてしまう子がいます。
なかなか継続することができない子がいます。
「何かに懸命に打ち込み、あきらめずに最後までやり通す力」
これは私たちが成功するうえで、とても重要な能力であることは言うまでもありません。
アンジェラ・ダックワースがペンシルバニア大学で行った研究によれば、このような力をもつ児童は、幸福感が強く、健康的で、クラスで人気があるのだそうです。
また、2000名の成人を対象にした別の調査では、このような能力をもつことは。「楽観的な人生観」や「人生への満足度」と関係していることが明らかになっています。
「何かに懸命に打ち込み、あきらめずに最後までやり通す力」
このような力を持った人が、逆境に耐える際に無意識に行っている習性があります。
それは「ポジティブな心のつぶやき」なのだそうです。
人は頭の中でたくさんの言葉をつぶやいています。
その数は1分間に300語から1000語なのだとか。
その中には「だいじょうぶ!」「きっとできる!」というポジティブな言葉もあれば、「もうできない」「自分はダメだ」というネガティブな言葉もあります。
「何かに懸命に打ち込み、あきらめずに最後までやり通す力」には、このようなポジティブな言葉を無意識につぶやく習慣が必要なのです。
根拠のない自信を育む
困難に出会ったとき、僕らは自分に投げかける言葉を選択することができます。
「だいじょうぶ!」「きっとできる!」というポジティブな言葉。
「もうできない」「自分はダメだ」というネガティブな言葉。
選ぶならば、「だいじょうぶ!」「きっとできる!」というポジティブな言葉を選びたいですよね。
言葉を選ぶだけなのですから、根拠など必要ありません。
根拠のない自信でいいのです!
ところが、僕ら大人はついつい子どもの「できていない部分」にフォーカスしてしまいます。
弱点や欠点を指摘し、それを改善するように求めます。
「ここがダメ」
「あそこがダメ」
そんなネガティブな「言葉のシャワー」は、子どもたちに根拠のない不信を育んでいきます。
「僕なんてダメだ」
「どうぜダメだ」
困難や逆境と相対したとき、そのようなネガティヴな言葉を頭の中で自然につぶやいてしまうのです。
このように見てきますと、
「すぐにあきらめてしまう」
「継続できない」
その原因を、本人の性質で片付けてしまうのはいかがなものでしょうか。
この根拠のない自信を子どもの中に育むことが大切なんですね。
自己肯定感を高める
内閣府が調査した『平成26年度版 子ども・若者白書』によれば、自分自身に満足している日本の若者は45.8%。
アメリカの86.0%やイギリスの83.1%に比べると、極めて低い数字です。
「長所があるか」など、どの調査項目も大変低い数値となっています。
「日本人は自己肯定感が低い」と言われますが、調査結果がその実態を如実に表しているのです。
中でも僕が注目したことがあります。
それは「うまくいくかわからないことに意欲的に取り組むことができる」と答えた人が52.2%しかいないことです。
日本の若者が困難や逆境に直面したとき、心の中でどちらの言葉をつぶやいているのか、想像に難しくありません。
親としてできることは何だろう?
「具体的に親として何ができますか?」
そんなご質問をいただきました。
その子が必要としている言葉のシャワーをかけてあげることです。
僕ら大人は、子供が必要としている言葉ではなく、自分がかけたい言葉をかけてしまいます。
それを「愛」だと勘違いしています。
本当に大切なことは、あなたがかけられてうれしい言葉をかけてあげることです。
どんな言葉をかけたら、子どもの内側から勇気が湧いてくるでしょうか。
困難や逆境を前につぶやいてほしい言葉をかけてあげてください。
根拠なんていらないのです。
「あなたはあなたであるだけで大丈夫!」
それでいいではありませんか。
子どもとつながる問いかけの魔法
どんな言葉が根拠のない自信を育むのだろう?