「最後までやり抜くこと」は偉いのか?

有刺鉄線の向こう側の少年

途中で投げ出すんじゃないぞ!

 

簡単に辞めたらな、

なんでも途中で投げ出す人間になるぞ!

 

 

最後までやり抜くんだ!

 

 

逃げるな!

 

いいか?

辛くても逃げるな!

 

 

先生はお前のために言ってるんだ〜〜っ!

 

 

…と指導した結果、

今、日本では過労死になるまで働く人が増え続けている。

ブラック企業で倒れるまで働く人が増え続けている。

うつ病になっても、薬を飲んでなお働き続ける人が増え続けている。

 

 

だから、思う。

そういった「昭和の教育」が、結果として「幸せではない大人」があふれた「平成」をつくっているんだよな。

 

 

教育は未来を創造する仕事だよ。

僕はずっとそう考えてきた。

 

 

若いころはやっぱ、僕も「昭和の指導」をしてきたよ。

なぜって?

僕らはそうやって教育されてきたから。

 

 

それがスタンダートだと思ってきた。

 

 

でも、子どもたちから教わったんだよな。

それ、違うんじゃね〜の?って。

 

 

がんばって、がんばって、学校に来て。

学校が嫌で嫌で仕方がなくて。

それでも、親が「行け!」と言うし。

先生は「来い!」と言うし。

 

 

夜は眠れなくて。

朝は起きれなくて。

学校に行こうと思うと、お腹が痛くなって。

 

 

そうやって、身体に変調を来たして、ようやく休むことができるようになる。

そうなって初めて、僕は「子どもの本当」を知ったんだ。

 

 

それからはね、「行きたくない」なら「行かない」がいいなって思うようになった。

いろんな子どもたちが教えてくれたよ。

 

 

ずっと不登校だったのに、保健室まで来れるようになった子がいた。

やがて、学級のお友達が保健室まで遊びに来るようになった。

 

 

彼が一言、こうつぶやいたんだ。

「僕、教室に行ってみようかな」って。

 

 

きっと、何年ぶりかの教室だった。

クラスメイトが保健室まで呼びにきてくれた。

 

 

彼は笑顔で応えた。

保健室の席を立とうとした。

  

 

だが、彼は立てなかった。

顔は笑顔のまま、でも泣き顔でね。

 

「先生、僕、行けないよ」って。

 

 

僕は一言、

「いいんだよ、そのままで」って答えたんだ。

 

 

投げ出してもいい。

逃げ出してもいい。

みんなと同じでなくたって構わない。

 

 

みんな違ってみんないい。

そうだろ?

だったら、「学校に行かない選択」だって有りだ!

 

 

いいかい?

学校に行って死んだ奴はいるけど、

学校に行かなくて死んだ奴はいないよ。

 

 

生きてるだけで100点満点だ。

俺はそう思うね。

 

 

人生は80年ぐらいしかないんだ。

嫌なことをやってる暇なんてないんだ。

 

 

僕はね、余生って言葉が大嫌い。

人生に余りなんてないぞ。

 

 

定年になったらやりたいこと?

その定年がやってこなかったらどうすんだ?

 

 

義父は定年から2ヶ月後に亡くなった。

きっとやりたいこと、いっぱいあったと思う。

 

 

だから、僕は「やりたいこと」は今やる。

やって後悔するのはいいが、やらずに後悔するのはイヤだ!

 

 

いいかい?

イヤなことをやってる暇なんてないんだよ。

 

 

時間は有限だからな。

いつか死ぬからな。

明日死神が来ても後悔しないように、今日を生きるんだよ。

 

 

だから、生きるために逃げてもいい。

生きるために休んでもいい。

俺はそう思うね。

 

 

魔法の質問

やりたいのにやらなかったことは何ですか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。