大人の先回りが子どもの貴重な経験を奪うのさ。

ジャングルジムで遊ぶ子ども

街中で時折、

むちゃくちゃ大きな声で叱っている親を見かける。

そんな大声で叱らなくてもなぁ…と思ったりする。

 

 

先日も、公園で次男坊と遊んでいたら、

一人のお母さんが大声で我が子を注意した。

 

 

「何してるの!ダメでしょ!そんなところ、登ったら」

「ほら、降りられないじゃない!何してるの?」

 

 

それはそれは大きな声で、お母さんは我が子を叱っていた。

近くの親たちは眉をひそめた。

 

 

なぜって?

 

 

だって、そこはジャングルジム。

そう!

どこにでもあるジャングルジム。

 

 

とっても大きなジャングルジムで、

たくさんの子どもたちが登っていた。

うちの次男坊もそうだった。

 

 

だから、

「何してるの!ダメでしょ!そんなところ、登ったら」

と言われて、我が子がジャングルジムで遊んでいる親たちは、一瞬キョトンとしてしまったわけだ。

 

 

まあ、小さい子だったから、登ったら降りられなくなることもある。

こういうことってあるよね。

 

 

登ったけど、降りられないってこと。

 

 

あのね、大人は降りることまで考えるじゃん。

ハイキング行っても、帰る体力ないかもな〜って思ったら引き返すじゃん?

大人はさ〜、最後まで見通しをもって行動するわけ。

 

 

一方、子どもはさ、「今ここ」だよね。

この瞬間が大事。

 

 

帰れるかどうか、とかじゃないの。

登りたいから登るの。

 

 

なぜ、山に登るか。

そう!そこに山があったから。

 

 

子どもがなぜジャングルジムに登るか。

そう!そこにジャングルジムがあったから。

以上!

 

 

降りられるかどうかなんて気にしない。

遠足は家に帰るまで遠足です?

 

 

NO!

子どもたちは「ワクワク」への一方通行!

 

 

それでいいんだよ。

だって、子どもだもん。

子どもは子どもらしいのが一番でしょ?

 

 

幼稚園児が将来のこと考えて行動してたら、ちょっと気持ち悪いべ。

そうじゃね?

 

 

あの、わけわからん無鉄砲さがいいんでないの?

 

 

でさ、やっぱお母さんは失敗させたくないわけ。

人様にも迷惑をかけたくないわけ。

だから、先回りしちゃうよね。

子どもの行動の先回り。

 

 

わかる、わかるよ。

大人が唯一優れているのは、子どもより経験が豊富だってこと。

だから、「こうしたらこうなる」っていう見通しが立つ。

 

 

「あ〜、たぶんジャングルジム登ったら降りられないんだろ〜な〜」という予測ができるわけさ。

でもさ、考えてみて。

 

 

それで、子どもの行動を制限したら、どうなると思う?

登ったら降りられないこともあるっていう経験を奪うわけじゃん?

子どもから貴重な経験を奪うんだぜ。

 

 

それやっちゃうと、「帰るまでが遠足」が伝わらなくなるぜ。

遠足行って「帰らぬ人」になったら困るよね。

 

 

 

大人が先回りしたら、いかんのよ。

いい?

「親はなくとも子は育つ」だからね。

 

 

黙って見守る。

本当に困ったら手を貸す。

 

 

それでいいんじゃね〜かな?と思うわけさ。

 

 

子どもとつながる魔法の質問

この子が本当に必要としていることは何ですか?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。