「いいお母さん」は卒業します!


昨日、ジャングルジムを登る子どもを叱るお母さんの話を書きました。

https://happy4teacher.com/?p=6034

 

「なんで、そんなところ登るの!」

「ダメでしょ?ほら、降りられない!」

 

 

そんなふうに叱るのです。

それもけっこう大きな声で。

 

 

僕ね、そのとき何を感じたかっていうと、

(私、叱ってますよ!子育て、がんばってますよ!)

ってエネルギーだったんだよね。

 

 

上海で暮らしていたとき、電車の中で我が子たちは普通におしゃべりしてたの。

上海の地下鉄は、べちゃくちゃおしゃべりしていたって大丈夫なんだよね。

 

 

だって、周囲は中国人。

彼ら彼女らは、大声で会話をするし、携帯電話だってしゃべり放題。

 

 

車内だって物乞いの人たちが二胡(←楽器)を片手に演奏しながらやってくる。

隣には、空き缶を持った相方がいて、お金を恵んでくれと言うわけ。

 

 

そんなのが日常だったから。

まあ、子どもたちがおしゃべりしてても気になんない。

 

 

ところがさ、日本に帰ってきたら、地下鉄の異様なこと。

すごい緊張感。

声を発しちゃダメ的なヤツね。

 

 

でも、子どもなんて普通の声でしゃべるじゃん。

だから、親としては注意しちゃうよね。

「静かにしなさい」ってさ。

 

 

まあ、でも子どもなんて、なかなか静かになんない。

仕方ないよね。

だって、子どもだもん。

 

 

そうすると、そういうとき大人って、けっこう周囲にアピールするように叱っちゃうの。

「何度言ったらわかるの!静かにしなさい!」ってね。

 

 

でさ、それ「私、今ちゃんと叱ってますよ〜!」ってアピールも含まれちゃうわけよ。

 

 

だからね、わかるわ、その気持ち。

むっちゃわかる。

 

 

子どもが子どもらしくあるとさ、他の人に迷惑かけそうじゃん。

んで、叱るんだけど、子どもなんて制御不能でさ。

 

 

そうすると、ついつい周囲にアピールしちゃうんだよね。

「私、ちゃんとお母さんしてますから!」って。

 

 

じゃあ、そのお母さんが悪いのかっていうと、そうじゃないと思うわけ。

やっぱ今、世間の目ってさ、他者に無関心で、そのうえ不寛容じゃない?

そうさせてるのは、世間だと思うんだよな。

 

 

「親なんだから、ちゃんと注意しろよ」的な空気感。

多くのお母さんは、子育てに一生懸命なのよ。

んで、この「親はこうあるべき」に縛られちゃうのな。

 

 

苦しいよ、苦しい。

完璧であることを手放せないと苦しい。

 

 

その苦しさを生み出しているのは、突き詰めたら自分かもしれないけどね。

やっぱ、周囲の関わりが大事だと思うんだ。

 

 

お母さんにあったかい国でありたいよねって思うなぁ。

 

 

魔法の質問

お母さんを喜ばせるために何ができますか?

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。