これまでの「やり方」が本当に正しいのか?

授業 ヒント

発問、すぐに挙手というパターンを手放す

発問を出します。

答えや考えは、発表する前に必ずノートに書かせました。

 

挙手はさせません。

なぜか。

 

早くできた子だけで授業が展開されていくから。

思考のスピードは、それぞれ違います。

 

ゆっくり深く思考する子もいますし、速くて浅い子もいます。

どちらも素晴らしいのです。

 

だから、僕は挙手はさせません。

 

挙手をさせるとスピード感が出ます。

でも、その裏で置いてきぼりになる子もいます。

 

ちゃんと考えているのに、なんだか「できない」気分にさせてしまいます。

だから、まずノートに書かせます。

 

キラリと光る記述を探す宝探し

机の間を巡りながら、子どもたちのノートを見て回ります。

すると、キラリと光る言葉を書いている子がいます。

「ねぇ、これ黒板に書いてきて」とお願いをします。

 

一問一答ならば、早く書けた子を見つけて板書してもらうのでもいい。

 

なぜ、子どもたちに板書させるのか

子どもたちに板書させるのには理由があります。

 

挙手しない子の中には、「間違えたら恥ずかしい」という子が多くいます。

挙手する勇気はないけれど、ホントは発表したい!

そんな子が輝きます。

 

1年間の授業を終えたあとのアンケートに、

「国語だけは私の考えを聞いてもらえます。うれしいです」

という子がいました。

 

 

それからもう1つ。

 

早く書けた子に書いてもらうと、時間のロスがありません。

早くできた子がどうしてもおしゃべりをしてしまう、なんてことも減ります。

 

そして、先生が板書を書くと、書いている時間がロスになります。

僕は1秒も無駄にしたくありません。

 

それから、子どもたちは板書がしたいので、必死になってノートに書きます。

 

これまでの「やり方」を疑ってみる

よく使うメッセージに「◯◯を書けるだけ書きなさい」というのがあります。

 

「登場人物をすべて書き出しなさい」

「ごんべんの漢字を書けるだけ書きなさい」

「主人公が悲しかった理由を書けるだけ書きなさい」

 

10分もあると、板書がすべて埋まります。

あとは、それらを使って授業を進めていくだけです。

 

これまで当たり前とされてきた授業のやり方を疑ってみることが大切です。

 

挙手するもの

板書は先生がするもの

 

そんな決まりはありません。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 すべての子どもたちが輝く方法を考えるから、授業はおもしろくなる。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。