人は自分の見てきたものの範囲でしか考えることができない


見てきた世界でしか、人は考えることができない


とあるお酒の席でお話していたこと。

ある先生が呂律の回らない口調で話しかけてきました。

その先生が勤務されている学校は、生徒指導の大変な学校でした。

 

「先生さ、今、何校目だい?」

「えっと4校目です」

「そうか、俺は6校目なんだけどさ。こんな学校もあるんだなって初めて知ったよ」

「大変ですか?」

「何千校って学校はあるじゃない?定年まで教員やっても、せいぜい10校も行けないじゃない」

「そうですね」

「俺たちは、自分が見てきたものでしか、物を考えられないんだよな。

 せいぜい10校程度の経験で教育を語るなんて傲慢だよな」

「そうですね」

「俺の経験だけじゃ、この学校を受け止めるのは大変だよ。」

 

僕よりも大先輩の、それも生徒指導で生きてきた先生の言葉でした。

僕らは、自分で見てきたもの、聴いてきたもの、経験してきたもの、でしか考えることはできません。

 

「当たり前」は、あなたにとっての「当たり前」でしかない

「これってこういうものでしょ?常識でしょ?」

と思っていたものが、意外と「当たり前」ではないということもあります。

 

自分の経験なんて、所詮「何千校もあるうちの数校の経験」でしかありません。

 

そのことに気が付けると、先生であることに謙虚になれます。

他の先生の言葉に素直に耳を傾けることができるようになります。

 

中堅と呼ばれるようになった今、傲慢にならぬよう自分を戒めるために書きました。

「わたし」の当たり前は、「だれか」の当たり前ではないかもしれない。

そう考えると、謙虚でいられます。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

人間は、自分が見てきたものの範囲でしか考えることができないことを知る。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。