なぜ校則で下着の色まで指定するのか


学校のルール、いわゆる校則にはおかしなものがあります。

TikTokに動画をアップしたのですが、「下着の色まで指定するのはやりすぎでは?」ということに対する僕の見解を動画にしてみました。

 

TiKTok動画『なぜ下着の色まで指定する校則があるのか』

校則ってね、そのルールがなぜ生まれたのか。

その背景を理解したうえで運用していくのが大事なんです。

 

 

でも、多くの先生はそれを忘れています。

ルールだから叱る、ということをやりがちです。

 

 

なぜそれはいけないのか。

なぜそのルールが生まれたのか。

そのことを無視して、「ルールだから守らなければならない」という凝り固まった意識で生徒指導をします。

 

 

だから、子どもとぶつかるし、世間から批判されるんです。

ツーブロックなんてその典型です。

 

 

ツーブロックのどこがいけないのか。

そういうことはすっ飛ばして、「ツーブロックはいけないと決まっているからいけない」となってしまうんですね。

 

 

「理由は知りません。そう決まっているから指導しているのです」

 

 

そんな感じです。

 

 

昔、縮毛強制、いわゆるストレートパーマが生徒指導で話題になりました。

まー、ホントに強い天然パーマの女の子がいてね、その子がストレートパーマをかけて真っ直ぐにしたいと言うんです。

 

 

それが嫌で不登校になったり、友達にいじめられたり、自信をなくしたりするぐらいなら、ストパぐらいよくね?と僕なんかは思うわけです。

 

 

でもね、答えはノーでした。

ストレートパーマもパーマだから、校則に違反していると言うのです。

あれ?馬鹿なのかな?

この人たち、馬鹿なのかな?

と思いました。

 

 

 

いやいやいやいや。

そうじゃねーだろ?

中身見て、是々非々で対応するのが、血の通った人間のやる仕事だろうが、と思いましたが。

その頃の僕にはそれを覆すだけの力がありませんでした。

 

 

 

年を重ね、それなりの立場を得てからも、生徒指導の方針ではよく古参の人たちとぶつかりました。

 

 

それでよく言われたんです。

 

「なんで変えようとするの?」って。

 

 

いやいやいやいや。

変えようとしてるんじゃね〜って。

時代に合わない古いルールだから見直そうぜって言ってんの。

わかんない?

わかんないよね?

だって、馬鹿だもんね?

 

 

…と10年も過ぎた頃には校長だろうと、50代のベテランだろうと、なんなら教育委員会の指導主事だろうと、「こいつ、バカだな」と思ったら「ねえ、馬鹿なの?」と言ってしまう人間だったので、こういうくだらない話はバチバチぶつかりました。

 

以前、髪型の指導で俺はOKしてるのに、他学年の先生がですね、「それはダメだ」と指導しましてね、「先生、なんで?」って質問に来たわけよ。

 

 

それでその先生に尋ねたのね。

「何がいけないの?」って。

 

 

そしたら、こう言われたの。

「先生、生徒手帳に中学生らしい髪型って書いてあるじゃないですか?」って。

 

 

えっ?で?

 

「あの髪型は私から見て中学生らしくないから注意しました」って言うのよ。

まー当然、揉めるよね。

なんだよ、中学生らしい髪型って。

 

 

そんな話をしたら、「先生を何年もやってたらわかるじゃないですか?中学生らしい髪型ぐらい」って言われてね。

ぶっ飛ばしてやろうかと思ったけれど、僕は平和主義者で品行方正だからね。

そんなことはしない。

 

 

「もういいや。お前、俺の学年の生徒に口出すなや。この学年のルールは俺だから」って。

いや、もう、組織人としてダメなのはわかりますよ。

 

 

一従業員としては、従順にルールを守ってですね、足並みを揃えるべきなんでしょ。

わかります、わかります。

 

 

でもね。

でもですよ。

あまりにも頭が悪い!!

 

 

いや、言っとくけど、俺は力づくでルールを守らせることもできる人間よ。

「ダメなものはダメ」って切り捨てて、保護者から問い合わせがあっても突っぱねるぐらい余裕っすよ。

 

 

でもね、そんなことしてこんなわけのわかんないルール押し通して、子どもと保護者との関係を打ち壊して何になるのよ?って思ったのね。

 

 

「ルールだからダメ」じゃなくてさ、マジで時代に合わせてアップデートしていく必要があるんだと思うよ。

じゃないとさ、「理不尽だー」って思われて関係性を壊すだけじゃん?

 

 

別に「何でもOKにしろ」って話じゃないの。

アップデートしろよ、って話ね。

 

 

で、生徒の下着の色を指定する校則のお話ね。

たぶんそれを作られた背景があるのよ。

派手な下着で着て、指導しても従わなくて、「ルールにないじゃん!」みたいな流れがあったんだろうなって想像がつく。

 

あと、大昔から改訂されてないんだろうね。

昭和っぽいもんね。

 

 

だからさ、現代の事情に合わせて見直せばいいんだよ。

ぶっちゃけそんなルール作って、指導しなきゃいけない方が面倒くさいじゃん?

 

 

俺、よく「ルールを増やそう」とする先生を見ると、それはやめろと言ってたもん。

ルールを増やすと指導することが増えるのよ。

 

 

ルールがなかったら指導しなくてもよかったものが、ルールがあると注意しなきゃいけなくなるでしょ?

 

 

例えばの話、下着なんて白でもベージュでも何でもいいじゃん?

たださ、真っ赤とかで透けてたら、「お前、それはないだろ?」って話ができる人間関係だけあればいいんだわ。

 

俺は今まで、そんな下着の色指定している学校に赴任したことはないけどさ。

注意したことはあるぞ。

 

「お前、もうちょっと考えろや!」って。

 

 

「先生、エッチー!」とか言われながら、「馬鹿か、お前」って。

笑いながらのやりとりだけどね。

 

「とりあえず今日はジャージはおっとけ」って具合に話すことはあるよね。

 

 

いや、つまり、コミュニケーション取れる人間関係があったら、ルールなんてなくてもいいんだよね。

ルールで縛らなきゃいけないのは、ルールがないと指導できない人間関係にあるんだわ。

 

 

 

マジで、結局人間関係なんよ。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。