ルールの数は不信の証。ルールを増やすより人間関係を築け!


相手に対する「信頼」が低いほど、ルールは増えていきます。

先日、ある業務のお手伝いをしました。

管理者さんがスタッフに業務内容を説明するのですが、とにかくルールが細かいんです。

相手のことを信頼していないと、「こういうときはこうしてください」が増えるんですね。

 

 

指示が細かいと、スタッフの質問も細かくなります。

重箱の隅を突き合う感じです。

 

 

 

すると、まだ起こってもいないトラブルにまで、「もしもこんなトラブルが起きたら?」というQ & Aが作られていきます。

そんなものは予測不可能なのですが、次々と不安が押し寄せ、「こんなときはどうする?」が増えていくんですね。

 

 

そんなお仕事の現場を眺めながら、「信頼が低いほどルールが増えるんだな」と思いました。

 

 

僕が仕事をお願いするのは、いつも信頼している人です。

ですから、僕から細かなルール設定をすることはありません。

すべてお任せです。

 

 

信頼していれば、細かなルールは必要ありません。

ヴィジョンがはっきりと伝わっているのであれば、それでいいのです。

 

 

でも、そこに信頼関係がないと細かなルールが必要になります。

相手の能力が未知数であり、相手の能力を信じることができる要素がないのですから、仕方がありません。

 

 

そうであるならば、細かなルールを作るよりも互いの信頼関係を築く方が先だな、と思いました。

 

 

学校には校則があります。

賢い学校の方が比較的高速は緩やかです。

これもまた、教師と生徒の信頼関係なのかもしれません。

 

 

ルールは少ない方がいいです。

ルールが多いと、それだけ指導すべき内容が増えます。

 

 

ルールが多いと、そのルールを覚えるだけで一苦労です。

歩くルールブックのように、全部覚えられる人はいいのですが、そうでない指導者がいると、指導に「揺れ」が生じます。

 

 

僕が以前赴任した学校に、バカみたいにルールの多い学校がありました。

「えっ?昭和なの?」っていうぐらいルールが多いんですね。

もう、絶対覚えきれません。

 

 

で、生徒指導部長に「生徒指導マニュアル」みたいなのを渡されたんです。

目の前でそのままゴミ箱に捨ててみました。

「こんなの読まねえよ」ってww

 

 

うん、くれちゃん、トラブルメイカー。

そういうの、いらんのです。

幸い、その学校はほとんど生徒間のトラブルがないような、落ち着いた学校でした。

 

 

落ち着いた学校なのに、わけのわからんルールばかり作って、子どもたちを縛り付けていたのです。

それでも文句を言わずに言うことを聞く子どもたちでした。

 

 

そのかわり、なんでも尋ねてくる子どもたちでした。

ルールが多いと、ルールブックにない案件を、いちいち確認するようになるのです。

 

 

「ロッカーに○○を取りに行っていいですか?」

「お茶を飲んでもいいですか?」

「カーテン、開けてもいいですか?」

「辞書を机の上に出してもいいですか?」

 

 

それで僕は、「そんなの確認しなくていいぞ」って言ったら、「でも、先生に報告しないと叱られるんです」ってな答えが返ってきて、衝撃を受けました。

めんどくセー!!

 

 

いらないルールは削った方がいいんです。

子どものこと、職員のこと、信頼できないほど、ルールが増えます。

ルールを増やすと、守れていないとき、守らせていないとき、軋轢が生まれます。

 

 

ルールがあった方がやりやすいというのは誤解です。

ルールは少ない方がいいのです。

 

 

例えば僕はイベントのときに、役割分担を決めません。

「何時から何時までは○○さんが受付係ね」みたいなことも、できるだけ決めないようにします。

 

 

細かく決めてしまうと、イレギュラーなことが起こったとき、軋轢が生まれるんです。

「14時からって約束なのに、あの子、受付係の仕事、遅れてきたんだよ」とか、なるんです。

 

 

とにかく、細かく決めたくなるのですが、決めれば決めるほど窮屈になります。

んじゃ、なんで決めたくなるかというと、信頼していないからです。

 

 

だからね、「ルールを作る」より、「なぜルールを作りたいのか」を徹底的に突き詰めた方が良いです。

そして、どうしたら「ルールをなくせるか」を徹底的に考えた方が組織としての強度が高まるわけです。

理想は「ルールなし」ですなぁ。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。