このご時世にリーダーシップを求めるなんて、ちょっと無理があるのかもよ


リーダーの絶対条件はヴィジョンを語れることだと言われている。

要するに言語でもって、「明るい未来」を僕らに伝えられることである。

その言葉に僕らはインスパイアされて、「おいら、あんたについていくよ!」となるのだ。

 

 

どれだけ明るい未来を見せられるか。

この人についていったら、なんだかすごい未来が待っているんじゃないか。

 

 

そう思わせてくれる言葉を持っていることが、リーダーのひとつの条件なのである。

まあ、そんな校長先生、あんまりおらんけどね。

 

 

で、今、この国は未曾有の危機の渦中にいる。

新型コロナウイルスが猛威を振るい、僕らの生活を大きく変えてから、かれこれ1年半になる。

マスクを着けて外出するのがマストとなり、人が集まるだけでちょっと無法者感が漂う時代になった。

 

 

いや、しかしだ。

この生活はいつまで続くのだろうか。

「コロナが終わったら」という言葉を合言葉のように聞くのだけれど、一体全体どうなったら「終わった」と定義されるのだろうか。

試合終了のホイッスルを鳴らす人はいるのだろうか。

 

 

リーダーがやることと言えば、感染者が増えたら「緊急事態宣言」を出し、減ったら解除して、を繰り返すだけだ。

別にそれを批判しようとは思わないけれど、なんだかその程度の判断なら小学校の保健委員会でもできそうだ。

 

 

頼みの綱はワクチンだと思うのだけど、「あれ?けっこうな人が打ってるけど、結局何も変わってなくない?」という日々が続いている。

あれは感染を拡げないわけではなく重症化しないためなので、まー当たり前なんだけどね。

 

 

そう。

つまり、あれこれいろんなことをやってるけど、結局1年前とそんなにも変わってないよね?という空気感が漂っているわけだ。

 

 

というわけで、このブログでは偉い人たちを批判したいのかというと、そんな話ではない。

今日お話したいのはリーダーシップの話である。

要するに、ヴィジョンで明るい未来を見せることが大事だよ、という話をしたいのだ。

 

 

「緊急事態宣言」でちゃんとみんなが自粛したら、明るい未来が待ってますよ!

ワクチン打ったら、明るい未来が待ってますよ!

とか言ってくれるなら、もう少し協力する人は増えるだろう。

 

 

ところが、どっこい!

 

 

「緊急事態宣言が解除されたあとも自粛してください」

「ワクチン打ったあとも自粛してください」

と言われると、

「あれ?結局、いろいろやっても、これからも我慢なんだね」

としかならない。

 

 

まったく明るい未来が見えない中での「お願い」は、やはり人の心を動かさないのである。

 

 

 

「明るい未来」よりも「不安」の方が、人間の心を動かす力がある。

だから、まだ今は、人流を抑えることができている。

でも、そんな「不安」にもだんだん慣れてきちゃったよね。

「緊急事態宣言」が「飲み会禁止令」にしか思えなかったりもする。

 

 

で、だよ。

「明るい未来」を語ることができる人が、この世界にいるのだろうか?

…というのが次の問いである。

 

 

「明るい未来」を語るには、どこまでも楽観的な心が必要なのである。

社会全体が悲観的なコロナ渦において、「あいつ、馬鹿じゃね?」と思われるぐらい楽観的になって明るい未来を語れる人は早々いないと思うのだよ。

 

 

だって、叩くでしょ?

そんな楽観的な明るい未来を語る人が現れたら叩くでしょ?

エビデンスを出せ!とか言っちゃうでしょ?

 

 

そんな社会だから、「明るい未来」を語る人はいなくなる。

そうすると、リーダーはいなくて当たり前の社会になっていくんだな。

 

 

楽観的な明るい未来を語る人がいて、「おいら、あんたについていくよ!」となってはじめて、組織は動き出すのである。

 

 

「先生、これっていつまで続くんですか?」と子どもに問われたとき、明るい未来を示せる大人でありたい。

ん?できるかな?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。