児童生徒の行動は先生の反応で決まる!人を動かす「きっかけ」をつくろう!


人間の行動は、「きっかけ→行動→反応」で決まります。

「行動」につながらないのは、「きっかけ」に原因があります。

 

 

たとえば、児童生徒が困っているとき、先生に「相談」してほしいとします。

「相談」という「行動」につなげるために、「困ったら相談してね」と伝えるのですが、なかなか相談してくれません。

こんなことはよくあることです。

 

 

この場合、先生に問題があるわけでも、児童生徒に問題があるわけでもないのです。

「相談できない」→「失敗する」という流れを見て、「相談できない生徒が悪い」と捉えがちです。

 

 

問題が起きたとき、「問題を起こした生徒=悪い」と理解しがちですが、「生徒が悪い」わけではなく、「問題を起こした原因」を見つけて、それを取り除いてあげればいい。

そんな風に考えてほしいと思います。

 

 

児童生徒が失敗する。

その原因は「相談できないこと」にあるとしたら、「相談できないのはなぜか」を考えたいのです。

 

 

ここで思い出していただきたいのが「きっかけ→行動→反応」です。

「きっかけ」が悪いから「行動」をしないのです。

「困ったら相談してね」という「きっかけ」が「行動」につながらない。

ただ、それだけなんです。

 

 

ですから、「きっかけ」を変えていきましょう。

 

 

たとえば、作文の授業などで、ずっと手が止まっている子がいます。

本人はなんらかの「壁」にぶつかっており、手が止まっているわけです。

でも、「困ったら相談してね」では動けない。

 

 

では、「きっかけ」を変えましょう。

「10分間、手が止まってしまったら、先生に報告します」

と伝えます。

 

 

これならば、子どもたちは10分間、手が止まったことを「きっかけ」に先生に声をかけることができます。

行動ができない児童生徒を叱るのではなく、「きっかけ」を変えてあげるのです。

 

そして、もう一つ重要なことがあります。

それは児童生徒の「行動」に対する教師の「反応」です。

 

 

「先生、10分間、手が止まりました」

と言ってきた子どもにどんな「反応」を示せば良いでしょうか。

 

 

笑顔で「よく相談できたね」と伝え、必要なフィードバックをすれば、子どもたちはまた「行動」をしようと考えるでしょう。

でも、教師の「反応」が思わしくないものであったら、児童生徒は再び「行動」をやめてしまいます。

 

 

せっかく相談したのに、適切なフィードバックをもらえなければ「行動」しなくなります。

まして、たとえば「相談」をしたときに先生が嫌な表情を見せるなど「気分を害するフィードバック」をしたら、「行動」はさらになくなります。

 

 

作文指導において

「10分間、手が止まってしまったら、先生に報告します」

という指示をした場合、作文指導の指示や説明がマズかったときには

「先生、10分間、手が止まりました」

の声が殺到することになります。

 

 

すると、先生は対応しきれなくなります。

嫌な顔の一つも見せてしまうかもしれません。

すると、せっかく児童生徒は「行動」したのに、先生の「反応」で、次の「行動」につながらなくなってしまいます。

 

 

ということは、最初の「課題設定」や「指示」が適切ではなかったことがわかります。

 

 

このように見てくれると、児童生徒の「行動」は教師の「働きかけ」ひとつであることがわかります。

行動できないのは「児童生徒」の問題ではありません。

かと言って、先生が問題ということでもありません。

 

 

先生が「どんな行動を選ぶか」にかかっており、うまく行かないのであれば「行動」を変えればいいということなのです。

変えられるのは「自分」だけなんですね。

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」として人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・2018年~2019年 100人のボランティアスタッフをマネジメントして『子育て万博』を主催。

・2021年~2024年 パリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフのマネジメントを担当。

・経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムCrewDocks®︎を開発。企業研修など精力的に活動中。