事業は誰のもの?と考えたとき、人は感謝を忘れると孤独になると気付かされる。


たくさんの人が僕の事業に関わってくれている。

 

 

これから全国で開催する出版感謝講演会。

やっぱ、いろんなところに出かけていくには、その地域で助けてくれる主催者さんがいないと成り立たない。

僕にとってかけがえのない存在だったりする。

 

Facebookに作った出版応援グループは140名。

もう、感謝しかない。

 

 

というわけで、もうすぐ僕の本が出版される。

「本を出したい!」と思ってから7年。

ずいぶん時間がかかった。

 

 

今回はNPO法人企画のたまご屋さんのお力をお借りした。

なんとしても商業出版がしたい!

そのために力を借りたのだけど、実は2年前にも企画のたまご屋さんを利用している。

そのときは残念ながら出版には至らなかった。

 

 

そのとき担当してくださったプロデューサーさんにもメールをした。

「今回の企画、上手くいかなかったらサポートしますね」と言っていただき、とても勇気をもらった。

 

 

今回担当してくださったプロデューサーさんはベテランの編集者さん。

ずいぶんお世話になって、出版につながった。

 

 

僕の企画に手を挙げてくださった青山ライフ出版さんは、もともとは自費出版を手掛ける出版社さん。

だから、最初に声がかかったときは、「自費出版かぁ…」と思った。

でも、出版プロデューサーさんから「企画のたまご屋さんは自費出版はやりません」という言葉をいただき安心した。

それで結局、青山ライフ出版さんの商業出版レーベルから本が出せることになった。

 

 

出版テーマも当初は「慕われるリーダー」とか「カリスマ性ゼロでもチームはまとまる」とか、そんな感じだった。

出版社の社長さんが、「なんか違うんじゃない?」と言っていただき、「本当は何が書きたいの?」と尋ねられた。

僕は「最初は自走する組織をどう作るか、みたいな話をしていたんですが、自走する組織って読者によくわからないかな?と思って」と伝えた。

 

 

そしたら、社長さんが「その方がいいじゃん!」と言ってくださり、「自走する組織の作り方」で「もくじ」を作り直すことにした。

そこからはトントン拍子で原稿まで出来上がった。

 

 

僕ひとりの力じゃここまでできなかった。

そうそう、その前に「企画のたまご屋さん」に送る出版企画書をお友達のチコちゃんと作ったんだった。

 

 

チコちゃんは法律関係の出版社の編集者さん。

「仕事としてお願いがしたい。出版企画書を作るのを手伝ってほしい」と頭を下げた。

チコちゃんとは何度も何度もZOOMをして企画書を作り上げた。

 

 

原稿が完成したら、デザイナーさんが装丁や表紙デザインをしてくださった。

とてもカッコいい感じだ。

 

とにかく何が言いたいかというと、本を出版するにあたって、本当にたくさんの方のお力をお借りしているということだ。

 

んで、本にはこんなフライヤーは挟まることになる。

弊社で作っているアプリのフライヤーだ。

こちらはいつもお世話になっているユーミンがデザインしてくれた。

んで、もちろん印刷するのはユーミンではなく印刷会社。

印刷したフライヤーは、輸送してくれる業者がいて出版社に届くわけだ。

 

 

本だって、配本してくれる取次出版社があって、本屋さんがあって、その間には輸送してくれる会社があって。

いや、ありがたいことだ。

それを「お前1人でやれよ」って言われたら絶対に不可能なわけだ。

 

 

 

いったい何人の人が関わってるんだ?って考えたらとんでもないことだ。

 

 

今、作っているアプリだって、たくさんの仲間がテストユーザーとして参加してくれている。

作ってくださっているプログラマーさんの会社や、プログラマーさんとの間を取り持ってくれているシステム会社もある。

いや、ほんと、社長さんにはお世話になりっぱなしだ。

 

 

取締役チームのみなさんも相談に乗ってくださる。

資金繰りには金融機関の皆様や、経済産業省の皆様も力になってくださったわけだし。

本当に本当にたくさんの人のおかげで、僕の事業は成立している。

 

 

もちろん、事業に関わってくれる人たちには、「お金」という対価が支払われる。

でも、お金を払ったから働いてくれるのか、というと、「お金のため」だけではないと思っていて。

 

 

「お金」というのは、僕の方から届ける「誠意」であって、事業を助けてくれる方々は「お金」だけではない何か、使命感のようなもので手伝ってくださる。

お金を介すと、お金のために働くようになるから金は払わないという社長さんがいて驚いた。

僕はむしろ、気持ちよく仕事をしてもらうためにお金を介している。

 

 

「いらない」と言われても払うし、絶対に値切らない。

「友達だから」と値切る人がいるが、友達だからこそ値切らない。

だって、気持ちよく仕事をしてもらうことを第一に考えているから。

 

 

値切ったら僕が得をして、相手が損をすることになる。

ただ働きをさせたら、僕が得をして、相手が損をすることになる。

それってなんか違う気がする。

 

 

もちろん、今回の出版感謝講演会は無料だから、主催者さんに金銭的な何かを届けることができない。

「子育て万博」や「JKFW(ファッションショー)」などのボランティアスタッフもそうだ。

そんなときも、お金ではない何かを受け取ってもらえるように全力を尽くす。

「奪う」ではなく「与える」をいつも考えている。

 

 

 

でも、だ。

 

 

 

1人で仕事をしていると、時折、自分は凄いんじゃないか、と勘違いすることがある。

そして、その勘違いが「孤独」を招く。

 

 

事務所で1人、黙々とキーボードを叩いている僕の仕事は、孤独を感じやすい。

孤独は感謝を忘れたときにやってくる。

 

 

だから、いつも胸に「ありがとう」を刻んでいる。

自分の事業を自分のものだと勘違いしてはいけない。

みんなで作り上げた、みんなのものだ。

 

 

僕はただの代表でしかない。

代わりに表に立っているだけで、僕のものではない。

 

 

もちろん責任は僕にある。

でも、そこから得られるものは、みんなで分かち合った方が良い。

その方が大きくなるからだ。

 

 

もう一度、書いておく。

感謝を忘れるから、孤独になるんだよ。

感謝を忘れるから、人を信じられなくなるんだよ。

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。