いいところを伝えて、保護者をハッピーにする方法

学級通信

「いいことがあったら、電話をしなさい」と言うけれど…

初任者のころ、よく偉~い先生からこんなことを言われました。

「学校からかかってくる電話は、だいたい悪いことばかり。だからね、いいことがあったときも電話すれば喜んでもらえますよ。ぜひ、いいことで電話をしましょう」

何度も言われました。で、思うんです。

 

ホントですか?

 

本当に喜んでくれていますか?

 

いつもいつも問題を起こす子がいたとします。ほとんど毎日のように報告しなきゃいけないことがあるような子です。そんな子が、今日はとっても素敵だった。

「お母さん、今日はとっても素敵だったんですよ」と報告する。これはあるように思います。

 

でもねぇ…、やっぱり思う。

学校から電話がかかってくるのって、悪いことが多いじゃないですか。

 

ウチの子もそうなんです。先生から電話がかかってくると、「なんかしたんじゃないの?」って思っちゃう。それで、なんてことはない電話だったりすると、「なんだ、そんなことか」と安心する。

 

で、「そんなことで電話してこなくてもよくない?」と思ってしまう。

ごめんね、先生…。思っちゃうんだもん…。

 

いいことで電話すると、たしかに電話口でお母さんは喜んでくれます。でも、それって本当にほんと~うに喜びなのかな…。「なんだ、今日は悪いことじゃないの…」って安堵かもしれません

 

それにね、僕の周りには素晴らしい子どもしかいないわけです。報告すべき「いいこと」は山ほどあるわけです。そんなわけで、「いいことがあったから電話する」ってのはいまいちリアリティーがないんですよね。

 

学級通信を活用する

学級通信は応援していただける保護者と出会う最幸のツール

学級通信に働いてもらうんですね。学級通信に、子どもたちの素晴らしかったことを書くんです。

 

朝や帰りの短学活で、子どもたちの素晴らしかったところを紹介すると喜んでもらえます。

短学活で、子どもたちに喜んでもらう

 

この「子どもたちの素晴らしかったところ」をひとつのコンテンツと捉えます。コンテンツのいいところは使いまわせるというところです。子どもたちに紹介したことを、同じように学級通信に載せるのです。

 

ただ、それだけ。

 

それだけで、子どもたちの素晴らしいところがお母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんなどなどにどんどん、どんどん伝わります。

 

子どもたちに伝えたことをそのまま文字に起こすだけですから、たいした労力ではありません。

子どもたちは話し言葉で褒められ、書き言葉で褒められる。2倍うれしいんだから、コンテンツは使い回せばいいんですね。

 

保護者にも知っていただく。我が子の素晴らしいところが伝えられる。これなら、きっと喜んでもらえるはず!

 

ポイントは、もらってうれしい学級通信を書くことです。

それは、喜んでもらえることを常に考えるという習慣があるからこそ伝えられるのですね。

 

ハッピーな先生になるためのステップ

 喜んでもらえる学級通信に働いてもらう。

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。