「これからの時代」を生きる子どもたちに大切な3つのこと


昨日は、人口のバランスが崩れているという話を書きました。

https://happy4teacher.com/?p=6022

 

人口のバランスが崩れるということは、これまでの成功モデルが崩れるということです。

もはや「いい学校に行って、いい会社に入ったら、ハッピーな人生」なんて成功モデルは終わっています。

 

 

たとえば、あなたが野球部員だとします。

そう、小学校の野球部です。

 

 

小6が9人。

小5が9人。

小4が9人。

 

 

だとすると、まあ体格的にも順当にいけば小6がレギュラーです。

でも、小5の子どもは将来に対して悲観的にはなりません。

 

 

なぜなら、小6が卒業してしまえば、今度は自分たちがレギュラーです。

小4も2年後にはレギュラーです。

 

 

このようなバランスが成り立っているからこそ、年功序列は成り立ちます。

若いころは多少苦労しても、いずれ出世するわけですから。

成立していたわけです。

 

 

現在のアラフォーを小5に例えると、こうなります。

 

小6が9人。

小5が20人。

小4が9人。

 

 

こんなバランスだと、小5の子どもたちは試合に出られる可能性はかなり低くなります。

未来が見えない…。

これはけっこう堪えます。

 

 

現在は働き方も多様化しています。

社会の変化が激しいです。

野球部だと思ったのに、来年度からはバスケ部になったりします。

レギュラーの定員そのものが減ってしまうのです。

 

 

「こんなはずじゃなかった!」

そういうことが、この世代には起きているように感じます。

 

 

これまでの「成功モデル」が通用しない時代です。

企業の寿命も、職業の寿命も、人間が働ける寿命よりもはるかに短くなりました。

超高齢社会を目前に控え、成熟した経済は、裏を返せば成長しない経済とも言えます。

 

 

しかし、悲観することはありません。

「これまでの成功モデル」が終わったならば、「これからの成功モデル」を生み出せばいいのです。

 

 

これからの時代は、とても「不安定な時代」だと言えるでしょう。

そんな不安定な時代を生き抜くために、子どもたちはどんな力を身につければいいでしょうか。

 

 

実は、未来を生き抜くためにどんな力が必要かは、現時点ではだれにもわからないのです。

 

 

 

だって、未来だもん!

 

 

「これからは英語だ!」とか言うけれど、人工知能がスラスラ通訳してくれる時代が来るかもしれません。

まあ、未来のことなんて、さっぱりわからんわけです。

 

 

今、世の中の変化のスピードが、どんどん上がっています。

先日、youtubeの設定が変わったことをご存知でしょうか。

少額のお小遣い稼ぎができていたのですが、それが急にできなくなりました。

 

 

Googleの検索アルゴリズムも日々変化していきます。

新たなものがどんどん生み出され、それらもまたすぐに淘汰されていきます。

 

 

本当に大切なことは、この変化していく世界に順応していく能力です。

興味のアンテナを敏感にし、あらゆることにチャレンジしていく勇気をもつことです。

 

 

このような「生きる力」の礎になるものを子どもたちに育むためには、3つのことが必要です。

 

 

1つは、興味をもったことに熱中させることです。

興味を分散するのではなく、興味を集中させるのです。

とにかく好きなことを好きなだけやらせてみるのです。

 

 

2つ目は、小さな成功体験を積むことです。

小さな「やればできる」という経験が、やがて大きなチャレンジ精神を生み出します。

 

 

3つ目は、大人が子どもの失敗を許すことです。

成功するまで失敗を繰り返すことを許容します。

すると、失敗することを恐れない人になります。

 

 

人はだれもが失敗を恐れます。

失敗しても何も失うものがないのに。

これは、よくよく考えれば不思議なことです。

 

 

失うものが何もないのに、恐れるのです。

なぜなら、僕らは完璧であることを手放せないからです。

 

 

以上、3つのことを考えると、大人ができることはほとんどないことがわかります。

あたたかいご飯とつくり、あたたかいお風呂を入れ、あたたかい笑顔で話を聞く。

ただ、それだけだということです。

 

 

昔から、親はなくとも子は育つと言います。

まさに、その通りなのです。

 

 

 

 

魔法の質問

どんなあたたかな空間を創りますか?

 

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。