お母さんがひとりで背負う文化ってどうさ?

上海の画像

子育てってさ、社会でするものだと思うよ。

親だけでやるものじゃないよね、ってのが僕の中にある。

 

 

「産んだのお前らだろ!」って言われたら、まあそうなんだけど。

 

 

いや、この社会を支える担い手としての側面はあるでしょ。

次世代が生まれなかっったら、確実にこの国は沈没するわけ。

このまま、若い世代が減り続けたら、どうなると思う?

 

 

年金とかどうなるんだろうね?って話だけじゃないよ。

道路ひとつ、下水道ひとつ、補修できなくなるよ。

停電しても復旧できなくなるよ。

救急車も消防車も動かなくなるよ。

 

 

最終的にそうなっていくわけじゃん。

若い世代がいなくなると、日本は沈没していくわけ。

 

 

ってなるとさ、子育てしやすい国にする必要がある。

んで、国はすぐ銭で支援したがるんだけど。

実態はどうなの?

子育て世代にお金がないから少子化なのかね?

本当にそうなの?

 

 

そこ、むちゃくちゃ疑問なわけ。

お金の問題だけじゃないと思うんだよなぁ。

 

 

でさ、金銭的な部分だけじゃない子育てのしにくさってのを感じるわけですよ。

だからさ、2人目3人目に躊躇する。

そういうこともあると思うんだよね。

 

 

すべての人間が結婚するわけじゃない。

すべてのご夫婦が子どもを産むわけじゃない。

 

 

だからこそ、みんなで子どもを育てる感覚って大事だと思うわけですよ。

 

 

 

中国では赤ちゃんのことを「宝宝」と書く。

「宝宝」と書いて「パオポオ」。

子どもは宝なわけ。

 

それがさ〜、中国人の子どもだけじゃないの。

ウチの次男坊は生後6ヶ月で海を渡った。

「日本の赤ちゃん」。

 

 

なにせ、我が家が子ども3人。

長く「一人っ子政策」だった中国では、子ども3人いるとかなり驚かれる。

 

「お前、何考えてるんだ?」みたいな感じ(笑)

だから、僕ら家族を見ると、一目で日本人だとわかる。

 

 

で、彼らにとって赤ちゃんは、中国人でも日本人でも「宝宝」。

そこに差はなくて、赤ちゃんは「宝」なの。

 

 

この感覚、日本に置き換えたら、なかなか難しいよね。

見ず知らずの中国人の赤ちゃんを「宝物」だと思える?

 

 

彼らは、そういうのサラッとやっちゃう。

日本とか中国とか、関係ないから。

 

 

だから、次男坊はむちゃくちゃ大切にされたよ。

もっと言うと、その次男坊の親である僕ら夫婦も大切にされたんだ。

 

 

赤ちゃん連れて地下鉄に乗れば100%座れる。

「お前、座れ!」ってみんなが立ち上がる。

ちょっとショートコントっぽい。

「我先に」って感じね。

 

 

行列のできる飲食店に行くと、赤ちゃんがファストパスになるの。

並んでる人がみんな、「赤ちゃんいるから先に食べさせてやれ」となる。

飲食中も、従業員が赤ちゃんを抱っこしててくれる。

だから、ゆっくり食べられるわけ。

 

 

階段があれば、見ず知らずの若者がベビーカーを持ち上げてくれる。

そのスマートさ。

「そんなの当たり前でしょ?」的な感じっていうの?

 

 

そんなことが山ほどあった。

ネットでは中国人のことを悪く書く人も多いけど。

上海に3年間住んでいた僕の経験でお話しすれば、中国人はなかなか温かい。

こういうのって、暮らしてみないとわかんないよね。

 

 

 

 

 

少なくとも、言葉の壁に交通事情と、そういう面では大変だよ。

反日デモに、鳥インフルエンザに、PM2.5にいろいろあった3年間だし。

でもね、子育てに関していえば、人の温かさに救われた感じはあるよな。

 

 

みんなで育ててる感ってのが味わえたんだよね。

どこに行っても、「3人も子どもいるのか、お前すげ〜な〜」ってニコリとされる。

背中をポンポンされる。

親指立てて、GOODってされる。

 

 

なんていうか、応援されてる感じ?

マンションのスタッフやら、警備員やら、バスやタクシーの運転手やら。

近所の果物屋のおじさんおばさんとか。

本当にお世話になったよね。

 

 

日本での子育てって、なんか孤独なんだよ。

「満員電車にベビーカーを持ち込むな」的な記事を見るとさ、なんだかな〜って思うわけ。

「ベビーカーがあるなら、その時間は乗るな」的な意見ね。

 

 

上海でベビーカーを押して満員電車に乗ったの。

出入口付近の若者数人がさっと降りて、「お前ら、乗れ」って言うわけ。

ベビーカーを持ち上げてくれてさ。

 

 

で、彼らは次の電車に乗るわけよ。

ヤバいよね。

超カッコいいじゃん!

 

 

民度、民度ってうるせ〜けどさ。

僕は中国人、好きだね。

嫌いにはなれない。

そういうこと、彼らはさらっとやっちゃうんだもん。

 

 

「じゃあ、中国に引っ越せ!」とかコメントしてくる人もいるから面倒くさいんだけど。

 

 

「いいお母さん」を演じなきゃいけない日本の方が子育てしにくいよなって思う。

 

 

前に児童虐待の話を書いた。

https://happy4teacher.com/?p=5988

 

児童虐待をした親を責めるだけじゃ何も解決しない。

なぜ彼らはそうせざるを得なかったのか。

そこに目を向けないと、救われない子どもたちの命がたくさんあると思うよ。

 

 

子育てを、母ちゃんひとりに背負わせる文化、なんとかしたいよね。

あと、背負っちゃう文化もな。

 

 

そういう意味でも、『子育て万博2018inあいち』(5月13日)は出会いの場にしたいんだよ。

子育てサークルとか、フリースクールとか、プレーパークとかNPOとかいろいろミックスしてさ。

出会いの場を提供したい。

子育てはひとりでするもんじゃないぜって。

 

 

それ、よくない?

 

 

子どもとつながる問いかけの魔法

 お母さんを満たすために何ができるだろう?

 

くればやし ひろあき

・株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

・フォロワー10万人の教育系TikTokクリエイター「くれちゃん先生」としても活躍中。人間関係や教育についての動画を配信

・1978年、愛知県生まれ。16年間公立中学校の教員として3,000人以上の子どもたちを指導。名古屋市内で最も荒れた中学校で生徒指導の責任者を務め、その後、文部科学省から上海に派遣され、当時世界最大の日本人学校であった上海日本人学校の生徒指導部長を務める。

・互いの「ものの見方や感じ方の違い」を理解し合うことで、他者に寛容な社会を実現したいと願うようになり、2017年独立。

・独立後は、教員時代の経験を活かし、全国の幼稚園や保育園、学校などで保護者向け講演や教職員研修を行う。2018年・2019年には、100人のボランティアスタッフを束ね『子育て万博』を主催。今年10月にパリコレクションのキッズ部門を日本に誘致して開催された『Japan Kids Fashion Week2021』において、全体計画及びキッズモデル・ボランティアスタッフ総勢150名のマネジメントを担当。

・2020年11月、「スタッフみんなが、明日も生き生きと来る!」を理念に、株式会社ミナクル組織研究所を設立。経営者、教職員、スポーツ指導者など、組織のトップや人を指導する立場の人たちから依頼を受け、人間関係づくりやチームづくりに関する講演や企業研修、教職員研修を行っている。経済産業省の事業再構築事業として人材分析システムを開発中。